2014年11月9日日曜日

100円アイスで許してあげる

今春卒業したゼミ生のA子からメールが届いた。

「かわいい子を連れてゼミ室に行きます。」


かわいい子って、誰だろう?


私は楽しみにその日を待っていた。


やがてA子が「かわいい子」を連れて研究室にやって来た。


「かわいい子」は、今春卒業した同級生のB子だった。


B子は、朗らかで、心が優しく、皆の卒業研究を手伝ってくれて、私は感謝していた。


卒業して半年以上が経過し、B子は少し大人の女の雰囲気を漂わせていた。


A子とB子と私の3人で、「あのゼミ生は今」という感じで、ゼミ生たちの近況報告の話をした。





(↑ 今春卒業したA子とB子)


B子「○○と○○は別れたんですよ。○○はひどい奴でしょ。」


私 「まあ、予想されたことだけどね。」


B子「○○を叱ってやってください。いけない恋いをしている。」


私 「メリットがなくなったら、そのうち別れるさ。」


こんな感じで、卒業しても恋の話が中心だ。



B子に仕事のことを尋ねたら、先輩たちに恵まれて楽しくやっているという。


もっとも、泣きながら社長に不満を言ったこともあったらしいが…


今春卒業したゼミ生のなかには、すでに転職した者もいる。


A子のように、ディズニーランドで夢を追い続ける場合もあるが、正社員になれずに転職したゼミ生もいる。


厳しい社会のなかで、たくましく生きていって欲しいと、ゼミ生の顔を思い浮かべて祈った。


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その翌々週、ゼミの写真を撮る日がやってきた。


カメラマンがやってきて、ゼミの集合写真やゼミの様子を撮るのだ。


この写真は、大学全体の卒業アルバムに載ることになる。


ゼミ4年生たちは、ちゃんとお化粧をし、それなりの服装をしている。



私も自分のデジカメで気ままにゼミ生の写真を撮った。


遊びのつもりで、あるゼミ生たちに向けてシャッターを切った。


そしてモニターを見て、驚いた。


ゼミ生たちの表情が生き生きとしていて、若さの息吹をリアルに感じた。


なんて表情が美しいのだろう!






(↑なんて美しい写真なんだろう。青春の一コマだ。)



そのさわやかさ、清らかさ。


青春の一コマという感じがする。


でも…少し悲しくなった。


卒業後には、厳しい社会が待っている


ゼミの卒業生たちが、卒業後に研究室を訪ねて、口にする過酷な労働環境。


ゼミ生たちは、まだその厳しさを知らない。


ゼミ生たちは、そんなことを露ほども思わず、のんきに「卒業研究なんて、面倒くさい。早く終わらせたい。」などと言っている。


*************


卒業研究のゼミは、木曜日の2限から4限までだ。





(↑ 今年はこんな感じで卒業研究に取り組んでいる。)


先日、社会見学や会議が入ったため、木曜日の2限と3限に私がゼミに行けなくなった。


私は会議中に、あわててゼミ生のC子にメールを送った。





(↑ C子にメールを送信した)


「急に会議が入った。戻るのが遅れる。皆に伝えて。」

しばらくして、C子から返信があった。

「みんな 許さない。だそうです。」

私からのメールをC子が皆に伝えたところ、皆が口々に「許さない」と言ったのだろう。

やはり、ゼミ生たちは怒っているのか…

無理もない、卒業研究の提出まで後1ヶ月しかないもんな…

私は多少あせって、何とかゼミ生たちの怒りを静めようと考えた。

このような場合は、低姿勢な態度を取るのが原則だ。

カウンセリング的に言えば、相手の気持ちに理解を示すことが重要だ。

私はつねづねカウンセリングの授業でそう教えている。

だから、「気持はわかる」などという表現を入れればよいだろう。

さらに、ゼミ生たちをほめて、気分良くさせることも大切だ。

教員がいなくても、皆はできるなどとおだてればよいだろう。

私はこのように考えて、C子に次のような返信をした。

「気持ちはよくわかる。皆意欲さえ出せばしっかり出来るので、頑張ってごらん。と伝えてね。」

このような返信をしておけばば安心だ。

ゼミ生たちは、機嫌を直して、おとなしく卒業研究に取り組むだろう。

しばらくして、C子から再度返信があった。

ん…、まだ何かあるのかな。

私は疑問に思いながらC子からのメールを開いた。

「アイス買って早く帰ってきてごらん。だそうです。」

な、なんとアイスを要求してきたのだ。

恐るべきゼミ生たち。

カウンセリングの理論が通用しない。

私の作戦が読まれている。

仕方がない…アイスぐらいは我慢しよう。

できるだけ被害を最小限にしようとメールを返信した。

「昨日〇〇先生たちと飲んだので、あまり金がない。だから100円アイスだな。」

そしてC子から返信があった。

「まあ100円でもいいでしょう。だそうです。」

アイスを買ってもらうことは当然という感じだ。

どこまでも強気なゼミ生たちであった。

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売店に行き、カゴにアイスを詰め込もうとした。

ところが、いろいろな値段のアイスがある。

値段の高いアイスを買わないように、商品を手にとって、店員さんに確認する。

「このアイス、いくらですか。こっちのアイスは?」

アイスの値段を必死で確認する自分が、少し恥ずかしかった。


2014年11月2日日曜日

学園祭の後は浮気のデート

平成26年の学園祭は、2日間ともさわやかな秋晴れだった。

雲ひとつない空。

すがすがしい空気。


(毎年、「笹やき」の模擬店を出している。)



ただ残念だったことは、ゼミ4年生が模擬店に出店しなかったこと。

検便を保健所に提出することができなくて、直前にキャンセル。

学園祭のパンフレットには記載してあるのに、模擬店は実在しないという状況。

もっとも4年生は、模擬店を出さなくてすむので、大喜びだった。

4年生には困ったもんだ。


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ゼミ3年生の出店した模擬店の「ささ焼き」は、けっこう売れた。

今年は、和風ネギポン酢を出した。

なかなかの人気商品だった。

学園祭の模擬店が、以前に比較してかなり減少しているためか、お客さんがよく来る。

なんと行列ができている。


(行例ができ、予約を受け付けているところ)


そのうち調理が追いつかず、品切れとなってしまった。

予約を受け付けたところ、予約が殺到し、なんと40分待たないと手に入らない状況。

開店休業状態だった。

2日目は、ゼミ生がたこ焼き器を持ち寄り、計6台で調理した。

それでも注文に追いつかない。

皆、休憩なく、ずーと、ずーと、焼き続けた。

生地を流し込んで、固まってくる数分だけが、ほっとする一刻。

「もう、焼きたくない!」と言い出すゼミ生もいた。


(皆、一生懸命、焼いていた)


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疲れている皆のなかで、ひとり元気のよいA子がいた。

私が研究室にいても、演習室にいるA子の笑い声が響いてくる。

「ぎゃはははは…」

私が演習室をのぞきに行くと、A子は忙しいそうに働いている。

座っていると効率がよくないと、立ったまま生地を作っている。

手もよく動いているが、口もよく動いているA子であった。

私がのんきに演習室に顔を出すと、

A子「先生、これやって。」

私「え~、俺、やるの~」

A子「じゃあ、浄水器に水入れてきて!」

しかたなく、私はA子に言われるまま、水を汲んで来ることになった。

A子が、なぜこんなにも元気なのかは、後でわかることになる。

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2日間のささ焼きの純利益は8万5千円以上。

これまでで最高だった。

皆が一生懸命がんばったからだ。

皆、かなり疲れていた顔をしていたけど…

もっとも、利益よりも、皆が力を合わせるという体験が、一番の収穫だと思う。

ゼミ3年生は、皆仲がよく、チームワークがとてもいいから、こんなに利益が出たんだよ。

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学園祭が終わって…

A子とB子が帰らずに残っている。

A子が研究室で着替えをしたいと言う。

そのため、私は研究室の外で待っていた。

しばらくして研究室を覗いてみると…

A子は一生懸命、お化粧をしていた。

そして、す、すごい臭い!

私「A子、香水をつけたの?」

A子「違います。防臭剤です。ささ焼きの臭いが付いてしまって…」

臭いを消すために、バンバン防臭剤を付けたらしい。

私「ところで、どこに行くの?」

A子「飲みに行くのです。名駅と金山とどちらがいいと思いますか?」

よくよく聞いてみると、A子は知り合った男と二人で飲みに行くという。

A子には、交際している男がいるはずなのに…

私「それ、浮気じゃあないの?」

A子「浮気ではありません!」(きっぱり)

A子は、その男性と付き合うつもりはないらしい。

ただ、現在交際している彼には刺激がなくなったため、刺激を求めて親しい男性と二人で飲みに行くらしい。

A子は浮気ではないと強調しつつも、「彼と会わないかなあ」と心配もしている。

なんだ、やっぱり浮気じゃあないか。

でも、恋愛には刺激が必要なことも事実だ。

大学生のうちから、夫婦みたいな交際をすることは、個人的には反対だ。

夫婦みたいな交際をすると、マンネリ化しやすい。

ワクワク、ドキドキ、そして切なさがないのは、恋愛ではない。

恋愛は、人を生き生きとさせる。

だから、皆疲れているのに、A子だけが、楽しそうにささ焼きを作りまくっていたんだね。

彼に見つかって、浮気がばれないように…




2014年10月25日土曜日

夢を追いかけて

激しく研究室のドアがノックされる。

かなり強烈だ。

やがてドアが開いて、懐かしい顔がのぞく。

今春卒業したA子とB子だ。

A子が卒業後に研究室を訪ねてくるのは、初めてだ。

A子は、卒業後、私に何回も「会いたい」というメールを送ってきた。

仕事について悩み、私に話をしたかったようだった。

しかしA子はまだ新入社員のため自由に仕事を休めず、研究室に来ることはできなかった。

今日のA子はニコニコしている。

私はすぐにA子にたずねた。

「仕事はどう?」

「1月に退職し、ディズニーに卒業研究の続きをやりに行きます。」(笑)

A子は大のディズニー好きで、大学時代には年間パスポートを持って通っていた。

卒業研究も、ディズニーに関連した内容だった。

卒業後、大手企業に就職できたものの、夢をあきらめきれず、ディズニーで働く気持を持っていた。

A子はさらさらと語っていたが、家族と激しいバトルがあったこともほのめかしていた。

夢を追いかけるのは、若いときにしかできない。

A子がずっと願っていたことなので、自分の気持ちを尊重し、ディズニーでがんばったらよいと思う。

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「先生、アルバムどこにある?」

B子は、大学時代のアルバムを見たがった。

ゼミの卒業アルバムを渡すと、二人で見ていた。



(なつかしそうにゼミテキストとゼミアルバムを見ていた)


アルバムの最後に、ゼミのブログの文章が載っていた。

B子 「私のお母さん、このゼミのブログを読んで、涙を流したんだよ。」

私は驚いて言った。

私 「えー、どうして、このブログで泣くの?」

B子 「私の教育実習の話を読んだときにね。」

ブログには、教育実習で、厳しかった指導教員が最後にB子をほめ、思わずB子が生徒の前で涙を流したことが書かれてあった。

B子 「おかあさんが先生のこと、言っていたよ。」

私 「俺のこと、なんて言っていた?」

B子 「いい先生だねって。」

これは、いい話だ。

今のゼミ3年生と4年生にも、この話をじっくり聞かせないといかん。



これらか二人はショッピングに行くという。

心がモヤモヤしているので、ショッピングで憂さ晴らしをするらしい。

私にお土産を置いて、研究室を出て行った。


(A子とB子のお土産)



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翌日、ゼミ4年生のC子が研究室にやってきた。

卒業研究をやりに来たのだ。

C子は、9月に彼氏ができて、ルンルンだ。

頭の中は、どうも彼氏のことで一杯なようだ。

たとえば研究室のティッシュの箱には、彼の名前を書いてしまう。


(ティッシュの箱に彼の名前を書いて貼ってあった)



研究室のテーブルにも、こんなふうに書いて、テープでとめてしまう。


(研究室のテーブルにテープで留めてあった)


「先生、絶対にこれをはがさないでね。」

まあ、恋する乙女なので、しかたがない。

しばらくは、C子の恋心につきあうことにしよう。

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その翌日、ゼミ4年生のD子が研究室にやってきた。

D子「先生、お昼ご飯を買うお金がないの。この部屋に食べる物ある?」

私「食べる物はないな。」

D子「先生は嘘つきだから、信用できないわ。」

D子はそう言って、研究室を探し始めた。

私が書棚の下に隠しておいたカップラーメンを見つけ出した。

D子「やっぱりね。見つけたわ。」

D子はお湯を沸かして、カップラーメンを食べ始めた。



(カップラーメンを食べるD子)


D子には心配事があった。

卒業後に今の彼と遠距離恋愛になるのだ。

「彼は、遠距離でも頑張るって言っているけど…」

こんな時の私のアドバイスは決まっている。

遠距離が問題ではなくて、どの程度会えるかが問題だ。

たとえ遠距離であっても、月に何回か会えれば、関係は維持される。

逆に、近隣に住んでいても、あまり会えなければ関係は破綻になってしまう。

二人の引きつけ合う力が強ければ、遠距離恋愛であっても、続くと思う。

ルンルンのC子とは対照的に、心配な様子のD子であった。










2014年9月25日木曜日

真夜中の乱闘事件

秋晴れの空の向こうに、きっくりと山々が見える。

さわやかな多治見の朝。

いつもの産業文化センター。

久しぶりのゼミ4年生の面々がそろった。

これからゼミ4年生の合宿が始まる。

卒業研究の中間発表の練習をするのだ。

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合宿が始まるなり、A子が私に言った。

「私、先生とおだやかな関係になりたいの」

「……どういうこと?」

「抄録を作成した時のようにはなりたくないの」

A子は抄録の書式のミスで、私にさんざダメ出しを食らっていた。

そのため怒って「先生のこと、本当に嫌いになっちゃうから」と言っていた。

A子はその出来事を言っているらしかった。

もっとも私はA子と「おだやかな関係ではなくなった」などとは、まったく感じていなかった。

いつでも、どこでもA子とは普通の関係なんだけどな。





(↑ おだやかな関係になりたいと言ったA子)



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発表練習をひとりひとり時間をかけて指導する。

合宿でないと、こんなに丁寧に指導はできない。

B子を指導している時だった。

私 「もっと元気を出して、オーラが足りない。」

B子 「そんなに元気を出したら、私の魅力がなくなってしまう」

私 「……」

B子は、弱々しい雰囲気を出して、男に守ってあげたい感情を引き起こさせたいと考えているようだった。

気持はわかるが、卒業研究の発表会の時まで、男に魅力を感じさせなくても…。

ふだんに十分魅力を感じさせればいいんだよ。



*********

ゼミ16期生は、皆優秀で、卒業研究の発表練習の仕上がりは早かった。

グループに分かれて練習をしたため、グループ内でかなりサポートしたようだった。

発表が苦手な学生も、他のゼミ生に助けられて(尻を叩かれて)、なんとか上手に発表できるようになった。





(↑ グループ内で発表練習する様子。疲れて寝ているゼミ生もいるが…)



ただ3人のゼミ生は、発表練習をしていくなかで、発表とポスターの図柄が一致していないことがわかり、ポスターをやり直すことになってしまった。


夜、12時を過ぎた頃…




(↑ 深夜のログハウス)


突然、誕生日パーティーが始まった。

ちょうど合宿中にC子の誕生日が当たってしまったのだ

C子に秘密にして、他のゼミ生がケーキを作った。

それをサプライズにして、深夜12時になった瞬間に、C子にプレゼントしたのだった。






(↑ 誕生日パーティ。ケーキを持っているのがC子)


合宿の2日目、深夜1時のことだった。

私は疲れてしまい、もう指導は打ち切りと宣言した。

そして布団を敷いて寝ようとした。

するとD子が言った。

「先生、私のポスターの下図を印刷してください。」

D子は卒業研究の取り組みが遅れていて、9月の中間発表会では発表できず、10月の特別発表会で発表することが決まっていた。

皆がポスターを広げて発表練習をする中、まだポスターの下図を作っていた。

皆とほとんど話をせず、ひとり黙々とパソコンに向かっていたのだった。

「もう眠たいので、明日プリントアウトしてあげるよ。」

私がそう言うと、D子は怒りだした。

「プリントアウトする方が早く寝られることを、思い知らせてやる!」

D子はそう言うと、私が片付けた小型プリンタを持ち出して、畳の上に投げつけた。

小型プリンタの電池カバーが外れた。

そして私の布団からシーツをはがすなど、暴れ始めた。

ふだんとてもおとなしいD子が暴れ始めたので、とても不気味だった。

私は怖くなって2階に逃げた。

「D子がキレた!」

私が状況を話すと、B子やC子は面白がって、目をきらきらさせながら聞いていた。

E子が心配して言った。

「先生、私たちの部屋で寝ていいですよ。私たちは気にしないですから。」

確かに、一人で寝たくはなかった。

夜中にD子に何をされるかわからない不安があった。

しかし、さすがに女子学生と同じ部屋に寝るわけにはいかない。

すると、下の階から、ドスン、ドスンという音が響いてきた。

D子はいったい何をしているのだろうか。

私はびくびくして、他のゼミ生は面白がって、しばらくじっとしていた。

音がやんだので、E子が様子を見に1階に降りていった。

そして、戻ってきて私に言った。

「D子さんが、先生はもう寝ていいですと言っていますよ。」

顔つきも落ち着いているという。

そこで私はそっと1階に降りていった。

B子やC子は興味津々で、一緒に1階に降りてきた。

私の部屋をのぞくと…

部屋の状況にびっくりした。

西側のカーテンの半分が取り外され、外が丸見えになっている。

南側のカーテンは開けられて、縛られている。

布団はぐちゃぐちゃ、シーツがまるで紐のように、結ばれている。


いったいD子は何をしていたのだろうかー





(↑ 私のふとんはぐちゃぐちゃ、枕カバーもはずされ…)







(↑ 私のシーツは、何回も結ばれていた…)




**********

ふだんおとなしいD子が、なぜ突然キレたのだろうか。

よくよく考えると、D子なりのさびしさや孤独感があったのではないかと思う。

皆がポスターの発表練習に取り組んでいるのに、自分一人だけ取り残され、別の作業をしている。

皆と話すこともなかった。

「先生は、ポスターの発表練習にばかり指導していて、あまり自分を指導してくれない。」と思っていたのではなかろうか。

そして、その不満が爆発したのではなかろうか。

D子に悪いことをしてしまった…


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翌朝…

当番のゼミ生が、腕を振るって朝食を作った。

おしゃれなカフェのモーニング風。

限られた食材を工夫して盛りつけた。

なかなかおしゃれだ。

パンは、クロワッサンとレーズンパン。

フルーツは、巨峰とバナナ。

そしてカップにはヨーグルトにナッツのトッピング。






(↑ ゼミ生のつくった朝食)


朝食の後も産業文化センターで発表練習。

まあまあ、仕上がりは順調。

皆よくがんばった夏合宿でした。

それにしても、真夜中の乱闘事件はびっくりしたなあ…





2014年8月20日水曜日

きわどい恋の話が出た同窓会

8月16日午後6時40分。

金山駅のマツキヨの前。

懐かしい顔がそろった。

ゼミ14期生の突然の同窓会だ。

2週間前、A子が企画をしてくれたのだ。

A子の仕事は8月がヒマらしく、気持に余裕があるらしい。

突然決まった同窓会だったので、参加できるのは4人だけ。

まあ、仕方ないね。

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(↑ 集まったゼミ14期生たち)


女の子が集まると、話題はいつも恋の話。

お互いよく知っている仲なので、突っ込んだ話が出る。

私も気楽に、バシバシとアドバイスをする。

私 「その話からすると、A子は結婚を決めた後、同棲生活をした方がいいな。生活観がかなり違うので、結婚してからでは、たいへんなことになる。」

A子 「そうですかね~」

私 「どちらかが単身赴任なら、うまくいくだろうけどね。距離が近くなると、喧嘩が多くなるカップルはいるもんさ。」

A子 「でも、私は結婚しますからね。先生は、私のこと、40歳になって結婚すると前々から言ってるけど、絶対20代で結婚するもん!」

私 「20代で結婚してもいいさ。40歳でもう1回結婚することになるかも。」

A子 「先生!」(なんてことを言うのという雰囲気)


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なかなかきわどい話も出た。

私 「う~ん、このまま結婚してもいいし、でも乗り換えるのなら今だな。」

とか、

私 「そりゃ、相手の奥さんから損害賠償の請求が来たら、300万円ぐらいだぞ。」

などと、私も勝手気ままにしゃべっていた。

恋の話は、いつでも楽しい。

このような感じで、あっという間に3時間が経過した。


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同窓会が終わって…

皆で金山駅に向かう途中、A子が言った。

A子 「先生、今夜はB子に付き添って岡崎まで行ってくださいね。」

4年生の時、B子が酔っ払ってしまったので、ゼミ生2人が岡崎まで付き添って、そこで母親に引き渡した出来事があった。

今回は、私がB子に付き添えという意味なのだ。

B子はかなり個性的なキャラだが、酒に酔うといっそう磨きがかかる。


私 「しかたないなぁ」

今日は、俺が付き添うのか…

B子は酔っ払っていた。

他のゼミ生が私の写真を撮ろうとすると、私に腕を絡ませてくる。

この写真、ちょっとヤバくない?





(腕をからませてくるB子)


金山駅でB子は、岡崎ではなく、その手前の刈谷までの切符を買った。

刈谷までJRで行き、そこで名鉄に乗り換えて、豊田市のアパートに帰るのだという。


在学中はB子は岡崎から通学していたが、現在は仕事の関係で、豊田で一人暮らしをしている。


すると、俺はJR刈谷駅までB子に付き添えばいいわけか…


二人で電車に乗った。


機嫌のよいB子はおしゃべりをする。


「からから」とよく笑う。


酒に酔ったとはいえ、B子在学中はよりも明るくなった感じがする。


そして、ちょっぴりたくましさも漂っている。


今の職場で順調に働き、ちゃんとした生活を送っているためだろう。




電車は刈谷駅に到着した。


しかしB子は、電車を降りようとはしなかった。


B子 「私、先生と一緒に岡崎まで行きます。そして引き返して来て刈谷で降ります。だって帰っても一人ぼっちだもん。」


さびしがりやのB子だった。


でもそんなに心配はしていない。


B子は社会に出てから、ずいぶん成長しているから。


酔っ払って、他のゼミ生に心配をかけた頃がなつかしいね。












2014年8月5日火曜日

ああ…スクールバスの最終便が…

卒業研究の中間発表会に向けて、本格的にゼミが活動開始。

7月28日月曜日から31日木曜日まで、4日間連続のゼミ。

あの演習室にひきこもって、卒業研究の抄録やポスター作りに取り組んでいる。



(↑ ゼミの様子 それにしても乱雑な机の上だな)


ゼミ生がはじめに受ける試練は、抄録の書式だ。

書式が間違っていても、どこが間違っているかを私は教えない。

マニュアルを読んで、自分で探せと言っている。

学生は、抄録を丁寧に何回も読まないといけないので、苦痛なようだ。



私「書式の間違いが2種類あるな」

学生「どこが間違っていますか」

私「さあ、どこかな。」

学生「え~、教えてくれないの~」


特にA子は、何回もそれらしき間違いを修正しては抄録を提出するが、そのたびに私にだめ出しをくらっていた。

パソコンの画面を見ながら、「教えてくれたって、いいじゃん」と、ぶつぶつ言っている。

「先生のこと、本当に嫌いになっちゃうから」と脅しの文句も。




(↑ 書式の間違いで苦しむA子(右))



見かねた他のゼミ生が、A子のまわりに集まってきた。

そして皆で間違いを探し始めた。

「そこかな」とか「そっちじゃない」などと皆で言っている。


(↑ 皆で書式の間違いを探している)


ついに、あるゼミ生が間違いを見つけ出した。

急にA子の顔が明るくなる。

よかった、よかった(私にとって)。

普段おしとやかなA子が怒ると怖かったので…



***********


ポスター制作も、学生にとって楽な作業ではない。

キーワードの配置、大きさなど、内容だけでなく、ビジュアルにも気を配らないといけない。

ゼミ生たちは、何回もダメ出しされる。


私「ポスターのここは、~のように修正した方がいいな。」

ゼミ生「さっきは、これでいいと先生は言っていました。」

私「そうかな、そんなこと言ったかな。まっ、とにかく修正して」

ゼミ生「え~、無理!無理!」


ゼミ生ははじめは不満を口にするが、修正せざるを得ないことを悟ると、おとなしく修正し始める。

どうやら、あきらめたらしい。

ホワイトボードには、こんな落書きがしてあった。





(↑ 私をもじった落書き)


こんな感じに卒業研究をしていると、あっという間に時間がたってしまう。

長時間にわたって卒業研究に取り組んでいると、ゼミ生たちはだんだん気分がハイになってくる。


B子「先生、そろそろ、私たちにやさしさを見せてください。」

私「俺は、いつも、やさしさを見せているけど~」


すると、先ほど私をにらみつけていたA子が、横から口を出す。


A子「そう!そう! 先生はもっとやさしさを見せて!」

私「あのさ~、A子は自分からは不満を言わないくせに、誰かが言うと便乗して口を出すんじゃないの?」

A子「違いますよ」(キッパリ)


**********


ちょうどこの時期は、試験週間でもある。

私は健康心理学や教育相談を担当しているので、テストの採点をしないといけない。


私「今日は、午後3時30分で、卒論の指導は終わり。試験の採点をするので」

B子「先生! 試験の採点は、私たちの卒論が終わってからにしてください。」

すると、再びA子が口をはさんでくる。

A子「そうですよ。私たちの卒論指導を優先してください。」

私「あのさ~、A子は自分からは不満を言わないくせに、誰かが言うと便乗して口を出すんじゃないの?」

A子「違いますよ」(キッパリ)

とうとう試験の採点はさせてもらえず、卒論の指導を続けることになった。


*************


時計を見ると、午後7時30分を過ぎている。

その日は、まだゼミ生3人が卒業研究に取り組んでいた。

ゼミ生「先生、お腹減った。」

私「そうだな、コンビニでご飯を買ってくるかー」

ゼミ生たち「ごちそうさまです。」(声をそろえて)


ここは教員として腹をくくらないといけない場面だ。

学生たちにご飯をおごらないといけない。

財布の中を見ると、5000円札が入っていた。

私「困ったな。おまえたちのことだから、5000円札を渡すと全部つかわれるし…」

ゼミ生たち「大丈夫です。安心してください。おつりは持ってきますからー」

学生たちに、私の分として、おにぎりとパンを買ってくるように伝えた。

午後8時過ぎ…

研究室で皆でご飯を食べた。

よくよく見ると、私のご飯がいちばんみすぼらしかった…







(↑ 私の夕食)







(↑ 学生はちゃんとしたお弁当を食べていた)


*************

ゼミの第2日めのことだった。

午後9時30分過ぎ…

やっと作業が終わり、皆で演習室を出た。

スクールバスはすでになく、私は共和駅まで歩かなければならなかった。

遠方から通学していたあるゼミ生のC子がいたので、帰宅時間が遅くなるので心配して声をかけた。

私「大学からどうやって帰るの。」

C子「彼が迎えに来てくれるので、一緒に帰ることになっています。」

私「それか、それなら安心だね。」

C子は彼に電話をした。

ところが…

彼から断られてしまった。

話が食い違っていたようだ。

C子は怒りだし、彼に激しい言葉を投げつけていた。





(↑ 恋人と電話で喧嘩をしているC子)



結局、C子は私や他のゼミ生と一緒に共和駅まで歩くはめになった。

まあ、こんなこともあるさ。

*************

私はこの3日間、夕食は大学で食べた。

スクールバスの最終便に乗れず、共和駅まで歩かざるをえなかった。

私「今日は、スクールバスの最終便で帰るからね!」

私は事前に、しっかりゼミ生たちに伝えていた。

ところが、スクールバス最終便の出発10分前になっても、こんな感じだった。







(↑ まったく帰ろうとしないゼミ生たち 午後9時過ぎ)



ゼミ生たちはまったく帰ろうとせず、私の主張は無視されたのだった。

そして、私はスクールバスの最終便に乗れなかった…

でも、まあ、皆、卒業研究が進んでよかったね。















2014年7月26日土曜日

突然の訪問者

ある日の昼頃のこと…

用事を済ませて戻って来て、研究室のドアを開けた。

さあ、ランチだ。

おっ、女性のサンダルがある。

ゼミ生かな。

そう思って部屋の中を見ると、女性がソファに寝そべっている。

よくよく見ると、なんと今春卒業したA子だった。





(↑ 今春卒業したA子)



連絡なく、突然、研究室にやってきたのだった。

A子は、在学中、テキパキと卒業研究をこなしていた。

そして、いつも品のあるおしゃれをしていた。

しかし、今日は雰囲気が違う!

体がだるそうで、元気がない。

「どうしたんだ?」

私が声をかける。

「数日前から、微熱があって…」

いろいろ聞いてみると、仕事のストレスのようだ。

営業のノルマは厳しく、9時過ぎに帰宅して…

さすがのA子も、心身ともにまいってしまったようだった。

A子と話していると、ゼミ4年生たちが集まってきた。

ちょうど静岡県の教員採用試験が終わり、その話で盛り上がっている。

今週末は、愛知県の教員採用試験なので、皆で情報交換をしている。

ゼミ4年生が集まってきたので、A子はちょっと居心地が悪そうだった。

A子は、研究室でもっとゆっくりしたかったと思うのだが…

A子は誰かにちょうど連絡が取れて、その人に会いに帰って行った。

その後、A子は元気にやっているのだろうか…

私へのお土産に、チョコパイがテーブルの上に置いてあった。

***********

愛知県の教員採用試験がせまっていた。

教職をめざすゼミ4年生はちょっと興奮気味。

B子「先生、私、面接が不安でたまらないんだけど…」

私「そうだな、まっ、自分を信じることだな。」

B子「そんな当たり前のこと言わないでください!」

適当なことを言うと、鋭く突っ込まれてしまう。

そのうち、就活がうまくいかず、苦しんでいるC子も研究室にやってきた。

C子は、就活で疲れているらしく、ソファに寝転んだ。

卒業生のA子にしろ、ゼミ4年生のC子にしろ、皆よくソファに寝転ぶ。

私がソファに寝転ぶC子を、すかさず写真にとった。






(↑ 就活に疲れて寝転ぶC子)



C子「先生!盗撮はやめてください。」

私「盗撮というのは、隠れて写真を撮ることだろう。隠れて撮っていないけど。」

私の理屈にC子は不満顔。

私「そもそも、うちの研究室には個人情報の保護という概念がないんだ。」

C子「わかりました。それでは、先生のチョコパイを勝手に食べてもよいということですね。」

個人情報保護と、チョコパイと、どのような関係があるのか、よくわからなかったが…

しかし、C子の発言が決め手となって、卒業生のA子のお土産のチョコパイが被害にあった。

私が研究室を留守にした時、私の分1個を残して、研究室にいたゼミ生たちが食べてしまった。

ああ、A子のお土産が…





(↑ 私の分が1個だけ残されてあった)



この時期のゼミ4年生は、教員採用試験やら就活で、殺気だっていたのだった。