雲ひとつない空。
すがすがしい空気。
(毎年、「笹やき」の模擬店を出している。)
ただ残念だったことは、ゼミ4年生が模擬店に出店しなかったこと。
検便を保健所に提出することができなくて、直前にキャンセル。
学園祭のパンフレットには記載してあるのに、模擬店は実在しないという状況。
もっとも4年生は、模擬店を出さなくてすむので、大喜びだった。
4年生には困ったもんだ。
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ゼミ3年生の出店した模擬店の「ささ焼き」は、けっこう売れた。
今年は、和風ネギポン酢を出した。
なかなかの人気商品だった。
学園祭の模擬店が、以前に比較してかなり減少しているためか、お客さんがよく来る。
なんと行列ができている。
(行例ができ、予約を受け付けているところ)
そのうち調理が追いつかず、品切れとなってしまった。
予約を受け付けたところ、予約が殺到し、なんと40分待たないと手に入らない状況。
開店休業状態だった。
2日目は、ゼミ生がたこ焼き器を持ち寄り、計6台で調理した。
それでも注文に追いつかない。
皆、休憩なく、ずーと、ずーと、焼き続けた。
生地を流し込んで、固まってくる数分だけが、ほっとする一刻。
「もう、焼きたくない!」と言い出すゼミ生もいた。
(皆、一生懸命、焼いていた)
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疲れている皆のなかで、ひとり元気のよいA子がいた。
私が研究室にいても、演習室にいるA子の笑い声が響いてくる。
「ぎゃはははは…」
私が演習室をのぞきに行くと、A子は忙しいそうに働いている。
座っていると効率がよくないと、立ったまま生地を作っている。
手もよく動いているが、口もよく動いているA子であった。
私がのんきに演習室に顔を出すと、
A子「先生、これやって。」
私「え~、俺、やるの~」
A子「じゃあ、浄水器に水入れてきて!」
しかたなく、私はA子に言われるまま、水を汲んで来ることになった。
A子が、なぜこんなにも元気なのかは、後でわかることになる。
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2日間のささ焼きの純利益は8万5千円以上。
これまでで最高だった。
皆が一生懸命がんばったからだ。
皆、かなり疲れていた顔をしていたけど…
もっとも、利益よりも、皆が力を合わせるという体験が、一番の収穫だと思う。
ゼミ3年生は、皆仲がよく、チームワークがとてもいいから、こんなに利益が出たんだよ。
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学園祭が終わって…
A子とB子が帰らずに残っている。
A子が研究室で着替えをしたいと言う。
そのため、私は研究室の外で待っていた。
しばらくして研究室を覗いてみると…
A子は一生懸命、お化粧をしていた。
そして、す、すごい臭い!
私「A子、香水をつけたの?」
A子「違います。防臭剤です。ささ焼きの臭いが付いてしまって…」
臭いを消すために、バンバン防臭剤を付けたらしい。
私「ところで、どこに行くの?」
A子「飲みに行くのです。名駅と金山とどちらがいいと思いますか?」
よくよく聞いてみると、A子は知り合った男と二人で飲みに行くという。
A子には、交際している男がいるはずなのに…
私「それ、浮気じゃあないの?」
A子「浮気ではありません!」(きっぱり)
A子は、その男性と付き合うつもりはないらしい。
ただ、現在交際している彼には刺激がなくなったため、刺激を求めて親しい男性と二人で飲みに行くらしい。
A子は浮気ではないと強調しつつも、「彼と会わないかなあ」と心配もしている。
なんだ、やっぱり浮気じゃあないか。
でも、恋愛には刺激が必要なことも事実だ。
大学生のうちから、夫婦みたいな交際をすることは、個人的には反対だ。
夫婦みたいな交際をすると、マンネリ化しやすい。
ワクワク、ドキドキ、そして切なさがないのは、恋愛ではない。
恋愛は、人を生き生きとさせる。
だから、皆疲れているのに、A子だけが、楽しそうにささ焼きを作りまくっていたんだね。
彼に見つかって、浮気がばれないように…