卒業研究発表会に向けての練習をする。
合宿前も,ポスター作りでたいへんだった。
ポスターの色塗りを始めてから間違いに気づき,やり直すゼミ生もいた。
そのゼミ生はショックで,泣き出しそうだった。
私がそのことを指摘すると…
私がそのことを指摘すると…
「先生,もうそれ以上言わないでください。言われると私…」
かわいそうになって,私が一人でぼそぼそ食べていたポテトチップスを分け与えた。
かわいそうになって,私が一人でぼそぼそ食べていたポテトチップスを分け与えた。
皆(学生も教員も),へとへとになりながら,合宿に突入した。
あわただしい日程だ。
私「~を完成させて合格しないと,食事には行ってはいけない。」
見かねたC子が、B子を厳しくサポートする。
C子「そこに座って。もっとシャキッとして。」(厳しい顔つき)
でもB子はいつものようにへらへらしている。
C子「B子を見捨てて,ご飯を食べに行くと思っているの!」(イライラしながら)
B子は周囲にゼミ生がいると集中できない様子。
結局,B子を残して,C子は部屋に戻ってしまった。
一方,D男もへらへらしていて,畳に寝そべり,他のゼミ生にからんでいる。
女の子に近寄り、ポーズをとってにやにやしている。
ゼミの女の子たちは「D男,気持ちわりぃ~」を連発。
(↑ 調子にのるD男)
私が食事などで部屋を離れると…
調子に乗ってゼミ生たちが、大広間のステージにのって歌を歌い始めた。
そして…
ついにプロレスが始まった。
広い場所があると,プロレスをやりたくなるらしい。
夏の合宿では,男一人に女二人が立ち向かってプロレスをやっていた。
今度の合宿では女の子同士。
女の子同志だが,けっこう激しい取り組みだ。
(↑ 女の子2人のプロレスの様子)
ふつう,女の子がプロレスをやりたがるか?
ぶっとんだところのあるゼミ生たちだった。
しかし…
しんみりと、こんなことを言うゼミ生がいた。
「最後にE子とプロレスができてよかったわ。」
体と体が激しくぶつかり合うことで,これまで以上に親しみを感じたらしかった。
そしてE子も言った。
「ゼミが始まって2年がたったけど,やっとゼミに馴染めた気がする。」
E子はしゃべりはするが,親しいゼミ生を除いて,距離を置くタイプ。
そんなE子がゼミ生にやっと馴染めたというのだ。
私も,E子が皆とプロレスをするなんて意外だった。
体を触れ合うということは、気持ちが近づいていた証拠だった。
体を触れ合うということは、気持ちが近づいていた証拠だった。
プロレスにもこんな効果があったんだね。
ところで…
肝心の卒業研究の発表練習は,まあまあだった。
なんとかぎりぎりの合格ラインに達した。
中間発表会で,自分の発表に不満足だったF子は頑張った。
皆が寝た後も,目をつぶって布団のなかで原稿を思い出していた。
表現があやふやな部分があると,枕元に置いてあった台本を持って,部屋から出る。
そして照明がついている階段に行って,台本を確認した。
プロレスもやったけど,発表練習も頑張っていたF子だった。
このようにして、ゼミ15期生の最後の合宿は終わったのだった。