卒業研究で缶詰になったあの部屋。
研究室の近くにあって、いつもゼミ生の靴が並んでいたあの部屋。
カーペットは汚れ、しかもしわしわだった。
その演習室で、皆でやがやしながら、卒業研究をやったものだった。
あるいは、学園祭で必死にたこ焼き(ささ焼きという)を調理したものだった。
おそらく多くのゼミ生にとって、思い出がある部屋だろう。
実は…
ゼミ生に言ったことはなかったが、あのカーペットは、実は14年前から使っている。
だから、かなり汚いのだ(皆よくあの汚い部屋にいたね…)。
もちろん掃除機は、年に数回かけている(かなり回数が少ないが…)。
そこで、今回決心して、カーペットを取り換えることにした。
カーペットを探しにカーマホームセンターに行った。
すると、カーペット売り場の近くに、イグサの敷物が置いてあった。
表示を見ると、こう書かれてあった
「イグサは空気をきれいにし、健康的です」
これだ!
演習室を健康的な部屋にしようと、その時思った。
そこでカーペットを買うことをやめて、イグサの敷物を買った。
気分が高揚したついでに、小型の座椅子も10個買ってしまった。
休日に車でイグサの敷物と座椅子を大学に運んだ。
そして一人でカーペットを取り除いて、イグサを敷き、座椅子を並べた(誰も手伝ってくれなかった…)。
イグサの香りが漂う。
演習室が14年ぶりに蘇った感じがする。
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数日後、ゼミ14期生のミ〇コが来た。
さっそく演習室に連れて行って、自慢する。
「どう? 演習室がきれいになっただろう」
「えー、私たちのときに、なぜやってくれなかったの~」(ひがみっぽい表情)
「それは… ある研究が終わって少し時間ができたんだ…」(あわてて)
いつものように、ツッコミを忘れないミ〇コだった。
研究室で、午後1時30分から5時まで、ミ〇コの人生相談。
ミ〇コらしく、人生を歩もうとしている。
簡単なことではないけど、後悔しない人生のために、勇気をもって前に進むんだよ。