2014年9月25日木曜日

真夜中の乱闘事件

秋晴れの空の向こうに、きっくりと山々が見える。

さわやかな多治見の朝。

いつもの産業文化センター。

久しぶりのゼミ4年生の面々がそろった。

これからゼミ4年生の合宿が始まる。

卒業研究の中間発表の練習をするのだ。

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合宿が始まるなり、A子が私に言った。

「私、先生とおだやかな関係になりたいの」

「……どういうこと?」

「抄録を作成した時のようにはなりたくないの」

A子は抄録の書式のミスで、私にさんざダメ出しを食らっていた。

そのため怒って「先生のこと、本当に嫌いになっちゃうから」と言っていた。

A子はその出来事を言っているらしかった。

もっとも私はA子と「おだやかな関係ではなくなった」などとは、まったく感じていなかった。

いつでも、どこでもA子とは普通の関係なんだけどな。





(↑ おだやかな関係になりたいと言ったA子)



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発表練習をひとりひとり時間をかけて指導する。

合宿でないと、こんなに丁寧に指導はできない。

B子を指導している時だった。

私 「もっと元気を出して、オーラが足りない。」

B子 「そんなに元気を出したら、私の魅力がなくなってしまう」

私 「……」

B子は、弱々しい雰囲気を出して、男に守ってあげたい感情を引き起こさせたいと考えているようだった。

気持はわかるが、卒業研究の発表会の時まで、男に魅力を感じさせなくても…。

ふだんに十分魅力を感じさせればいいんだよ。



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ゼミ16期生は、皆優秀で、卒業研究の発表練習の仕上がりは早かった。

グループに分かれて練習をしたため、グループ内でかなりサポートしたようだった。

発表が苦手な学生も、他のゼミ生に助けられて(尻を叩かれて)、なんとか上手に発表できるようになった。





(↑ グループ内で発表練習する様子。疲れて寝ているゼミ生もいるが…)



ただ3人のゼミ生は、発表練習をしていくなかで、発表とポスターの図柄が一致していないことがわかり、ポスターをやり直すことになってしまった。


夜、12時を過ぎた頃…




(↑ 深夜のログハウス)


突然、誕生日パーティーが始まった。

ちょうど合宿中にC子の誕生日が当たってしまったのだ

C子に秘密にして、他のゼミ生がケーキを作った。

それをサプライズにして、深夜12時になった瞬間に、C子にプレゼントしたのだった。






(↑ 誕生日パーティ。ケーキを持っているのがC子)


合宿の2日目、深夜1時のことだった。

私は疲れてしまい、もう指導は打ち切りと宣言した。

そして布団を敷いて寝ようとした。

するとD子が言った。

「先生、私のポスターの下図を印刷してください。」

D子は卒業研究の取り組みが遅れていて、9月の中間発表会では発表できず、10月の特別発表会で発表することが決まっていた。

皆がポスターを広げて発表練習をする中、まだポスターの下図を作っていた。

皆とほとんど話をせず、ひとり黙々とパソコンに向かっていたのだった。

「もう眠たいので、明日プリントアウトしてあげるよ。」

私がそう言うと、D子は怒りだした。

「プリントアウトする方が早く寝られることを、思い知らせてやる!」

D子はそう言うと、私が片付けた小型プリンタを持ち出して、畳の上に投げつけた。

小型プリンタの電池カバーが外れた。

そして私の布団からシーツをはがすなど、暴れ始めた。

ふだんとてもおとなしいD子が暴れ始めたので、とても不気味だった。

私は怖くなって2階に逃げた。

「D子がキレた!」

私が状況を話すと、B子やC子は面白がって、目をきらきらさせながら聞いていた。

E子が心配して言った。

「先生、私たちの部屋で寝ていいですよ。私たちは気にしないですから。」

確かに、一人で寝たくはなかった。

夜中にD子に何をされるかわからない不安があった。

しかし、さすがに女子学生と同じ部屋に寝るわけにはいかない。

すると、下の階から、ドスン、ドスンという音が響いてきた。

D子はいったい何をしているのだろうか。

私はびくびくして、他のゼミ生は面白がって、しばらくじっとしていた。

音がやんだので、E子が様子を見に1階に降りていった。

そして、戻ってきて私に言った。

「D子さんが、先生はもう寝ていいですと言っていますよ。」

顔つきも落ち着いているという。

そこで私はそっと1階に降りていった。

B子やC子は興味津々で、一緒に1階に降りてきた。

私の部屋をのぞくと…

部屋の状況にびっくりした。

西側のカーテンの半分が取り外され、外が丸見えになっている。

南側のカーテンは開けられて、縛られている。

布団はぐちゃぐちゃ、シーツがまるで紐のように、結ばれている。


いったいD子は何をしていたのだろうかー





(↑ 私のふとんはぐちゃぐちゃ、枕カバーもはずされ…)







(↑ 私のシーツは、何回も結ばれていた…)




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ふだんおとなしいD子が、なぜ突然キレたのだろうか。

よくよく考えると、D子なりのさびしさや孤独感があったのではないかと思う。

皆がポスターの発表練習に取り組んでいるのに、自分一人だけ取り残され、別の作業をしている。

皆と話すこともなかった。

「先生は、ポスターの発表練習にばかり指導していて、あまり自分を指導してくれない。」と思っていたのではなかろうか。

そして、その不満が爆発したのではなかろうか。

D子に悪いことをしてしまった…


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翌朝…

当番のゼミ生が、腕を振るって朝食を作った。

おしゃれなカフェのモーニング風。

限られた食材を工夫して盛りつけた。

なかなかおしゃれだ。

パンは、クロワッサンとレーズンパン。

フルーツは、巨峰とバナナ。

そしてカップにはヨーグルトにナッツのトッピング。






(↑ ゼミ生のつくった朝食)


朝食の後も産業文化センターで発表練習。

まあまあ、仕上がりは順調。

皆よくがんばった夏合宿でした。

それにしても、真夜中の乱闘事件はびっくりしたなあ…





2014年8月20日水曜日

きわどい恋の話が出た同窓会

8月16日午後6時40分。

金山駅のマツキヨの前。

懐かしい顔がそろった。

ゼミ14期生の突然の同窓会だ。

2週間前、A子が企画をしてくれたのだ。

A子の仕事は8月がヒマらしく、気持に余裕があるらしい。

突然決まった同窓会だったので、参加できるのは4人だけ。

まあ、仕方ないね。

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(↑ 集まったゼミ14期生たち)


女の子が集まると、話題はいつも恋の話。

お互いよく知っている仲なので、突っ込んだ話が出る。

私も気楽に、バシバシとアドバイスをする。

私 「その話からすると、A子は結婚を決めた後、同棲生活をした方がいいな。生活観がかなり違うので、結婚してからでは、たいへんなことになる。」

A子 「そうですかね~」

私 「どちらかが単身赴任なら、うまくいくだろうけどね。距離が近くなると、喧嘩が多くなるカップルはいるもんさ。」

A子 「でも、私は結婚しますからね。先生は、私のこと、40歳になって結婚すると前々から言ってるけど、絶対20代で結婚するもん!」

私 「20代で結婚してもいいさ。40歳でもう1回結婚することになるかも。」

A子 「先生!」(なんてことを言うのという雰囲気)


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なかなかきわどい話も出た。

私 「う~ん、このまま結婚してもいいし、でも乗り換えるのなら今だな。」

とか、

私 「そりゃ、相手の奥さんから損害賠償の請求が来たら、300万円ぐらいだぞ。」

などと、私も勝手気ままにしゃべっていた。

恋の話は、いつでも楽しい。

このような感じで、あっという間に3時間が経過した。


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同窓会が終わって…

皆で金山駅に向かう途中、A子が言った。

A子 「先生、今夜はB子に付き添って岡崎まで行ってくださいね。」

4年生の時、B子が酔っ払ってしまったので、ゼミ生2人が岡崎まで付き添って、そこで母親に引き渡した出来事があった。

今回は、私がB子に付き添えという意味なのだ。

B子はかなり個性的なキャラだが、酒に酔うといっそう磨きがかかる。


私 「しかたないなぁ」

今日は、俺が付き添うのか…

B子は酔っ払っていた。

他のゼミ生が私の写真を撮ろうとすると、私に腕を絡ませてくる。

この写真、ちょっとヤバくない?





(腕をからませてくるB子)


金山駅でB子は、岡崎ではなく、その手前の刈谷までの切符を買った。

刈谷までJRで行き、そこで名鉄に乗り換えて、豊田市のアパートに帰るのだという。


在学中はB子は岡崎から通学していたが、現在は仕事の関係で、豊田で一人暮らしをしている。


すると、俺はJR刈谷駅までB子に付き添えばいいわけか…


二人で電車に乗った。


機嫌のよいB子はおしゃべりをする。


「からから」とよく笑う。


酒に酔ったとはいえ、B子在学中はよりも明るくなった感じがする。


そして、ちょっぴりたくましさも漂っている。


今の職場で順調に働き、ちゃんとした生活を送っているためだろう。




電車は刈谷駅に到着した。


しかしB子は、電車を降りようとはしなかった。


B子 「私、先生と一緒に岡崎まで行きます。そして引き返して来て刈谷で降ります。だって帰っても一人ぼっちだもん。」


さびしがりやのB子だった。


でもそんなに心配はしていない。


B子は社会に出てから、ずいぶん成長しているから。


酔っ払って、他のゼミ生に心配をかけた頃がなつかしいね。












2014年8月5日火曜日

ああ…スクールバスの最終便が…

卒業研究の中間発表会に向けて、本格的にゼミが活動開始。

7月28日月曜日から31日木曜日まで、4日間連続のゼミ。

あの演習室にひきこもって、卒業研究の抄録やポスター作りに取り組んでいる。



(↑ ゼミの様子 それにしても乱雑な机の上だな)


ゼミ生がはじめに受ける試練は、抄録の書式だ。

書式が間違っていても、どこが間違っているかを私は教えない。

マニュアルを読んで、自分で探せと言っている。

学生は、抄録を丁寧に何回も読まないといけないので、苦痛なようだ。



私「書式の間違いが2種類あるな」

学生「どこが間違っていますか」

私「さあ、どこかな。」

学生「え~、教えてくれないの~」


特にA子は、何回もそれらしき間違いを修正しては抄録を提出するが、そのたびに私にだめ出しをくらっていた。

パソコンの画面を見ながら、「教えてくれたって、いいじゃん」と、ぶつぶつ言っている。

「先生のこと、本当に嫌いになっちゃうから」と脅しの文句も。




(↑ 書式の間違いで苦しむA子(右))



見かねた他のゼミ生が、A子のまわりに集まってきた。

そして皆で間違いを探し始めた。

「そこかな」とか「そっちじゃない」などと皆で言っている。


(↑ 皆で書式の間違いを探している)


ついに、あるゼミ生が間違いを見つけ出した。

急にA子の顔が明るくなる。

よかった、よかった(私にとって)。

普段おしとやかなA子が怒ると怖かったので…



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ポスター制作も、学生にとって楽な作業ではない。

キーワードの配置、大きさなど、内容だけでなく、ビジュアルにも気を配らないといけない。

ゼミ生たちは、何回もダメ出しされる。


私「ポスターのここは、~のように修正した方がいいな。」

ゼミ生「さっきは、これでいいと先生は言っていました。」

私「そうかな、そんなこと言ったかな。まっ、とにかく修正して」

ゼミ生「え~、無理!無理!」


ゼミ生ははじめは不満を口にするが、修正せざるを得ないことを悟ると、おとなしく修正し始める。

どうやら、あきらめたらしい。

ホワイトボードには、こんな落書きがしてあった。





(↑ 私をもじった落書き)


こんな感じに卒業研究をしていると、あっという間に時間がたってしまう。

長時間にわたって卒業研究に取り組んでいると、ゼミ生たちはだんだん気分がハイになってくる。


B子「先生、そろそろ、私たちにやさしさを見せてください。」

私「俺は、いつも、やさしさを見せているけど~」


すると、先ほど私をにらみつけていたA子が、横から口を出す。


A子「そう!そう! 先生はもっとやさしさを見せて!」

私「あのさ~、A子は自分からは不満を言わないくせに、誰かが言うと便乗して口を出すんじゃないの?」

A子「違いますよ」(キッパリ)


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ちょうどこの時期は、試験週間でもある。

私は健康心理学や教育相談を担当しているので、テストの採点をしないといけない。


私「今日は、午後3時30分で、卒論の指導は終わり。試験の採点をするので」

B子「先生! 試験の採点は、私たちの卒論が終わってからにしてください。」

すると、再びA子が口をはさんでくる。

A子「そうですよ。私たちの卒論指導を優先してください。」

私「あのさ~、A子は自分からは不満を言わないくせに、誰かが言うと便乗して口を出すんじゃないの?」

A子「違いますよ」(キッパリ)

とうとう試験の採点はさせてもらえず、卒論の指導を続けることになった。


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時計を見ると、午後7時30分を過ぎている。

その日は、まだゼミ生3人が卒業研究に取り組んでいた。

ゼミ生「先生、お腹減った。」

私「そうだな、コンビニでご飯を買ってくるかー」

ゼミ生たち「ごちそうさまです。」(声をそろえて)


ここは教員として腹をくくらないといけない場面だ。

学生たちにご飯をおごらないといけない。

財布の中を見ると、5000円札が入っていた。

私「困ったな。おまえたちのことだから、5000円札を渡すと全部つかわれるし…」

ゼミ生たち「大丈夫です。安心してください。おつりは持ってきますからー」

学生たちに、私の分として、おにぎりとパンを買ってくるように伝えた。

午後8時過ぎ…

研究室で皆でご飯を食べた。

よくよく見ると、私のご飯がいちばんみすぼらしかった…







(↑ 私の夕食)







(↑ 学生はちゃんとしたお弁当を食べていた)


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ゼミの第2日めのことだった。

午後9時30分過ぎ…

やっと作業が終わり、皆で演習室を出た。

スクールバスはすでになく、私は共和駅まで歩かなければならなかった。

遠方から通学していたあるゼミ生のC子がいたので、帰宅時間が遅くなるので心配して声をかけた。

私「大学からどうやって帰るの。」

C子「彼が迎えに来てくれるので、一緒に帰ることになっています。」

私「それか、それなら安心だね。」

C子は彼に電話をした。

ところが…

彼から断られてしまった。

話が食い違っていたようだ。

C子は怒りだし、彼に激しい言葉を投げつけていた。





(↑ 恋人と電話で喧嘩をしているC子)



結局、C子は私や他のゼミ生と一緒に共和駅まで歩くはめになった。

まあ、こんなこともあるさ。

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私はこの3日間、夕食は大学で食べた。

スクールバスの最終便に乗れず、共和駅まで歩かざるをえなかった。

私「今日は、スクールバスの最終便で帰るからね!」

私は事前に、しっかりゼミ生たちに伝えていた。

ところが、スクールバス最終便の出発10分前になっても、こんな感じだった。







(↑ まったく帰ろうとしないゼミ生たち 午後9時過ぎ)



ゼミ生たちはまったく帰ろうとせず、私の主張は無視されたのだった。

そして、私はスクールバスの最終便に乗れなかった…

でも、まあ、皆、卒業研究が進んでよかったね。















2014年7月26日土曜日

突然の訪問者

ある日の昼頃のこと…

用事を済ませて戻って来て、研究室のドアを開けた。

さあ、ランチだ。

おっ、女性のサンダルがある。

ゼミ生かな。

そう思って部屋の中を見ると、女性がソファに寝そべっている。

よくよく見ると、なんと今春卒業したA子だった。





(↑ 今春卒業したA子)



連絡なく、突然、研究室にやってきたのだった。

A子は、在学中、テキパキと卒業研究をこなしていた。

そして、いつも品のあるおしゃれをしていた。

しかし、今日は雰囲気が違う!

体がだるそうで、元気がない。

「どうしたんだ?」

私が声をかける。

「数日前から、微熱があって…」

いろいろ聞いてみると、仕事のストレスのようだ。

営業のノルマは厳しく、9時過ぎに帰宅して…

さすがのA子も、心身ともにまいってしまったようだった。

A子と話していると、ゼミ4年生たちが集まってきた。

ちょうど静岡県の教員採用試験が終わり、その話で盛り上がっている。

今週末は、愛知県の教員採用試験なので、皆で情報交換をしている。

ゼミ4年生が集まってきたので、A子はちょっと居心地が悪そうだった。

A子は、研究室でもっとゆっくりしたかったと思うのだが…

A子は誰かにちょうど連絡が取れて、その人に会いに帰って行った。

その後、A子は元気にやっているのだろうか…

私へのお土産に、チョコパイがテーブルの上に置いてあった。

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愛知県の教員採用試験がせまっていた。

教職をめざすゼミ4年生はちょっと興奮気味。

B子「先生、私、面接が不安でたまらないんだけど…」

私「そうだな、まっ、自分を信じることだな。」

B子「そんな当たり前のこと言わないでください!」

適当なことを言うと、鋭く突っ込まれてしまう。

そのうち、就活がうまくいかず、苦しんでいるC子も研究室にやってきた。

C子は、就活で疲れているらしく、ソファに寝転んだ。

卒業生のA子にしろ、ゼミ4年生のC子にしろ、皆よくソファに寝転ぶ。

私がソファに寝転ぶC子を、すかさず写真にとった。






(↑ 就活に疲れて寝転ぶC子)



C子「先生!盗撮はやめてください。」

私「盗撮というのは、隠れて写真を撮ることだろう。隠れて撮っていないけど。」

私の理屈にC子は不満顔。

私「そもそも、うちの研究室には個人情報の保護という概念がないんだ。」

C子「わかりました。それでは、先生のチョコパイを勝手に食べてもよいということですね。」

個人情報保護と、チョコパイと、どのような関係があるのか、よくわからなかったが…

しかし、C子の発言が決め手となって、卒業生のA子のお土産のチョコパイが被害にあった。

私が研究室を留守にした時、私の分1個を残して、研究室にいたゼミ生たちが食べてしまった。

ああ、A子のお土産が…





(↑ 私の分が1個だけ残されてあった)



この時期のゼミ4年生は、教員採用試験やら就活で、殺気だっていたのだった。





2014年7月2日水曜日

深夜の恋愛相談

ゼミ3年の夏合宿。

初日が終わり、身体のすべてにけだるい疲れが感じられる。

夜11時、私は布団の上で、パジャマに着替え、寝る準備をした。

枕元のiPodからは、以前テレビの仕事をしたときに知り合ったタレントの歌が流れている。

私の好きな曲だ。

さあ、寝るかー

と、その時…

どすん、どすんと音が鳴り響き、2階からゼミ生が階段を降りてきた。

私の部屋のドアが開いた。

「先生~、相談があるんですけど~」

数人のゼミ生が顔をのぞかせていた。

「えっ、まあ、いいよ」と私。

部屋に入ってくるなり、あるゼミ生が、

「あっ、この音楽、確か授業で聞いたような…」

「そうだよ。健康心理学の授業の時、俺の自己紹介ビデオで流している曲だよ。」

私は布団の上にあぐらをかいて、座り直した。

「でー、相談は何だ?」

もちろん聞くまでもなく、恋愛の相談に決まっていた。

あるゼミ生が恋愛についての話を始めた。

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私は恋愛の相談が好きだ。

ゼミ生の恋愛の話を聞いていると、青春を感じる。

単純には割り切れないさまざまな感情がうごめいている。

自分で自分の感情をどのように受けとめたらよいのか、わからない。

自分の感情の意味付けで苦しんでいる。

私の年齢になると、自分の感情を割り切ることができる。

若い頃と比較すると、びっくりするぐらい自分の感情の揺れが収まった。

だから悩むことが少なくなる。

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ゼミ生の恋愛はいろいろだった。

交際している彼についての悩みもあれば、別れた彼についての悩みもあった。

カウンセリングをするように、真剣にゼミ生の恋愛の話に付き合った。

すでに深夜12時を過ぎている。

疲れが出たゼミ生が、私のそばで寝始めた。

あるゼミ生のお腹を枕にして、寝ているゼミ生もいた。

ごろごろ寝ているので、ゼミ生がマグロに見えた。




(マグロのように寝るゼミ生たち、矢印の学生はお腹を枕にして寝ている。)


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合宿で使う施設の近くにパン屋がある。

高級なパン屋で、見るからにおいしそうなパンが並んでいる。

合宿になると、私はよくこのパン屋に来る。

合宿の第一日目の昼食も、ここでパンを買って食べた。





(↑ 合宿での私の昼食。左はバナナソースのフランスパン、右はカレーパン)



でも、気がついたことがある。

ゼミ生が料理コンテストで必死につくった夕食。

昨夜の夕食の残りの食材で、ゼミ生が工夫して調理した朝食。

ゼミ生の料理の方がはるかにおいしいと私は思った。

プロではないので、料理は洗練されていない。

パン屋の方が、ビジュアル的にきれいだし、おいしそうだし、高級感もある。

しかしそれだけだ。

ゼミ生のつくった料理には、それを超える何かがあった。





(↑ ゼミ生がつくった夕食。左のカップは、いろいろな具材が入った餃子スープ。)



ゼミ生の調理する後ろ姿は惹き付けられる。

普段見せることのない雰囲気が漂っている。

きっと、このゼミ生たちが母になった時、こんな感じなんだろうなと思った。

少しだけ、ゼミ生の背中が大きく見えた。

このゼミ生たちを新たに発見した合宿となった。




(↑ 夕食をつくるゼミ生たち)















2014年6月13日金曜日

不登校の生徒が感激した教育実習生

「先生、教育実習で辛いことがあったら、泣きながら電話するからね」

ゼミ4年のA子はそう言って、教育実習に入っていった。

教育実習に強い不安を抱えていたのだ。

そして3週間が経過した…

A子は、私に電話してくることはなかった。

無事、教育実習は終わったようだった。

久しぶりに研究室に卒業研究のために来たA子の表情は明るかった。

「先生、教育実習は楽しかったよ」

A子はそう言って、教育実習の話をし始めた。






(↑ 話し終わった後、卒論を取り組むA子)


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A子が担当したクラスに、不登校の女の子がいた。

週に1日、友人に連れられて午前中登校するだけだった。

ある日…

A子は時間があいたので、その生徒と話をした。

A子は一生懸命に話を聞くだけだったが、その生徒は心を開いてくれた。

これまでの辛かった出来事を、涙を流しながら語った。

教育実習の最終日…

A子はクラス全員にメッセージカードを配った。

そこには、生徒たちの長所が書かれてあった。

生徒ひとりひとりの顔を思い浮かべ、長所を考え、ことばにする作業はとても大変だった。

授業の指導案を作ることよりも、大変な作業だったという。

そのカードを受け取った生徒たちは感激し、クラスの女の子全員が涙を流した。

そして…

あの不登校の生徒も、登校してきた。

A子の教育実習の最終日のため、わざわざ登校したのだった。

メッセージカードを受け取ったその生徒は、泣きながらA子に言った。

「先生、教員採用試験に合格して、来年私のクラスの担任になってください。そうしたら、私、登校できると思う。」

このことばを聞いて、A子も泣いてしまった。

*********

若いってすごいことだと思う。

授業が下手でも、生徒への接し方が下手でも、生徒の気持をつかむことがある。

だから、教育実習にはドラマがある。

ただ…

A子の場合、教育実習が楽しかっただけに、普段の大学生活のペースに戻り切れていなくて困っていた。

「勉強のやる気がでな~い!」

まあ、ぼちぼち、勉強をするんだよ。

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A子から教育実習の話を聞いたその日…

今春卒業したゼミ15期のB子とC子が研究室に遊びに来た。

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

研究室のドアを思いっきり何回もノックして、研究室に入ってきた。

この荒々しい行動は、在学中と変わらない。

二人とも元気そうだ。





(↑ B子とC子)


B子は学習塾に就職した。

仕事が終わるのが午後10時で、帰宅するのは午後11時過ぎ。

夜遅くまで働くと、疲れが残る。

でも一応、順調に仕事をしている様子。

彼との交際も続いている。

B子は,社会人になって、ぐっと大人の雰囲気になった。

色っぽさが漂っている。

B子は私へのお土産を持ってきた。

大学のコンビニで買ったポテト。

「先生、これ好きでしょ。」

そう言って、私に差し出した。





(↑ B子が買ってきてくれたポテト)


昨年、卒業研究の指導のため遅くなってしまった時、夕食としてコンビニで買った記憶がある。

おそらくB子は、この時のことを覚えていて、私に買ってきてくれたのだろう。

B子の気持ちがうれしかった。

C子は宅配会社のドライバー。

20キロもある荷物を何個も運ぶことがあるらしい。

研究室で運転時の安全確認のしぐさを再現してくれた。

「左よし、右よし、後方よし」(確かこんな感じ)

すっかりドライバーの雰囲気だ。

二人とも、大学生からだんだん社会人になっていく感じがした。


二人に卒業式の写真を見せた。

この写真は、私のカメラで撮っているので、二人は見ていない。

そこには晴れ姿でにこやかな顔が写っている。






「どう、すごい綺麗に撮れているだろう。俺が撮ったんだ。」(自慢)

「ほんと、綺麗!」(B子)

ゼミ生たちが卒業していったのは、ほんの数ヶ月前だけど、遠い昔のようにも感じられる。

今度は、他のゼミ生を研究室に連れてくるように、二人に伝えた。

特に東京で研修中のゼミ生や、レンタカー会社に就職し、落ち込んでいるゼミ生をー。












2014年5月31日土曜日

注文していないのに宅配便が…

5月に入った頃…

サポートセンターの私のメールボックスルに、宅配便の不在連絡票が入っていた。

「あれ、何か、注文したかな…」

私には身に覚えがなかった。

不在連絡票を見ると、私が注文した商品は…

「ももクロチケット」

しかも代引きで9000円!

なんだ、これ?

そんな趣味、ないけどな~



(↑ 代引き料金9000円の記載がある不在連絡票)



よくよく不在連絡票を見ると…

配達したドライバーの名前は、今年卒業したゼミ卒業生のA子。

そうか、A子が大学に来たのか…

A子は、大手の宅配便会社に就職した。

仕事は、宅配便の配達のドライバー。

メモが書いてあった。

「早く仕事が終わったので、会いに来たのですが、いなかったので手紙を書きます。仕事は順調です。」

大学を卒業して2ヶ月、仕事にも慣れて、頑張っていることを私に報告しようと思って来てくれたのだろう。

懐かしくA子の顔を思い浮かべた。

会って話をしたかったな。


*********


そう言えば、今年卒業したB子からも、以前メールが届いた。

「お久しぶりです。元気ですか。私は元気よー (中略) 一人暮らししているので、近くまで来たら、ご飯でも連れてって?」

元気に仕事をしている様子がうかがえる。

B子なら、仕事をしっかりこなしているだろう。

ちゃっかりご飯をおごらせようとしているところが愛嬌だな。


A子もB子も、仕事に少しずつ慣れてきて、一息ついた時に、ふと大学時代を思い出し、懐かしくなって私に近況を伝えてきたのだろう。

大学を卒業して2ヶ月ちょっと。

大学時代とはまったく違う生活を送っているのだろうと思う。

それなりの苦労は必ずあったはずだ。

いつか同窓会を開いて、その苦労話を聞きたいな。


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宅急便の不在連絡票が入っていた数日後…

ゼミ11期生のC子から、突然メールが届いた。

私に会いに大学に来たいという。

C子は高校の非常勤講師をしている。

高校がテスト週間に入ったので、午後に時間が空いたらしい。

C子は心がやさしい子だ。

卒業した今でも、私の誕生日近くなると、バースディカードを送ってくれる。

そして頑張り屋だ。

現在、ダイエットのために、毎朝4時に起床して10キロを走る。

休日は、ビーチラグビーに参加。

砂浜を走っている。

すごい体力だ。

ここまでハードにできるのは、自分に厳しくできるからだと思う。

ここまで根性のある子は、なかなかいない。


ただ悩みのひとつは、彼ができないこと。

合コンには行っているらしいが、なかなか縁がない。




今でも覚えていることがある。

C子が大学2年生の時のことだった。

ゼミの説明会で、私の研究室に来た。

そして私が座っている椅子のそばに座り込み、こう言った。

「私って、男運がよくないんです…」

このところ、交際する男はすべて悪い男ばかりだというのだ。

自分の男運のなさを、C子は嘆いた。

このことを思い出し、私はC子に言った。

「あせることはない。C子があせって男をつかまえると、ろくな男ではないからな。」

「そうねすね。」とC子も認める。



大学時代に比べると、C子の女らしさはすごく磨かれていると思う。

毎日、一生懸命に生きているからだと思う。

だから、あせることはない。あせる必要はない。

いつか、きっと、よい縁に恵まれるよ。