2014年2月8日土曜日

お菓子をめぐる戦い

卒業研究発表会が終わり、ほっとしている時…

ゼミ3年生が次々と私に声をかけてくる。

「先生! 履歴書を見てください」

「先生! エントリーシートを見てください」



年が明けて、ポスター制作、ゼミ合宿、卒業研究発表会と忙しかった。

ずっと4年生に付添ってきた。

考えてみれば、ゼミ3年生は就職活動の戦いが始まっていた。

次は3年生の面倒をみなければ…


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ある日の研究室。

研究室にゼミ3年が続々と集まってくる。

エントリーシートを書くゼミ生もいれば、教職の勉強をするゼミ生もいる。


(↑ 研究室で頑張るゼミ生たち)


A子が質問してきた。

A子「先生、趣味の欄に、歌を歌うって書いて、おかしくないかな。」

私「そうだな~、まっ、いいんじゃないの。」(ランチの後のデザートを食べながら)

するとあるゼミ生が口をはさむ。

「歌が上手って、うらやましいな。私、カラオケ行っても歌いたくない。」

A子「私は歌が好きだから、平気で歌えるよ。ここでも歌えるよ。」

皆「え~、歌って、歌って」

調子に乗せられたA子は、机の上にあったペットボトルをマイク代わりに取り上げた。

A子「先生でも知っている古い歌を歌います。」

A子は「津軽海峡冬景色」を歌い始めた。


~♪♪♪ 上野発の夜行列車降りた時から、青森駅は雪の中 ♪♪♪~


(↑ 研究室で歌うA子)


豊かな音量と伸びのある低音の声。

なかなか雰囲気がある。

研究室で歌を歌ったのは、A子が最初だ。

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その週の日曜日。

研究室にはB子とC子の姿があった。

日曜日だが、私が野球部の仕事で大学にいるので、わざわざ大学に来たのだった。

 

(↑ エントリーシートを書くB子とC子)



二人は6時間も研究室で、エントリーシートに取組んでいた。

二人が帰った後、私の机の上を見ると、なんと…

私が楽しみにしておいたお菓子の「カントリーマアム」の袋が開いている。


(↑ 袋が破られてあった)


「しまった! やられた!」

私が印刷室に行っているスキを狙って、このお菓子を食べたのだろう。

お菓子を見えるところにうっかり置いたことはうかつだった。

しかし、まさかこの二人が犯行におよぶとは想定外だった。

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数日後、B子を問い詰めた。

私「カントリーマアムの袋を開けたのは、B子だろう。」

B子「違います。C子ですよ。」

私「そうかな~。C子はおとなしいので、そんなことするかな。」

B子「先生の前ではおとなしいだけです。C子は、裏のボスと呼ばれています。」

私「裏のボス? そりゃすごいな。」

B子「先生は人を見る目がないですね。だから4年生がゼミ内で交際しても見破れないんですよ。」

う~ん、B子とC子を比べたら、B子の方が怪しいと思うけどな。

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そのまた数日後…

再びB子がD子と一緒に研究室にやって来た。

B子は、今日は、健康運動実践指導者の試験勉強をするという。

同じ過ちを繰り返さないように、その日、私はお菓子を隠してあった。

目に付くところには置かず、ケースに入れて、さらにケースの上にも他の物を置いて隠した。

これなら見つかる心配はないだろう。



この日は教授会があった。

私が研究室を出たとたん…

(ここからは後でわかった話)

B子が立ち上がり、私の机の付近まで来た。

いつものところにお菓子が置いてなかったので、B子はお菓子を探し始めた。

なんとゴミ箱の中までもお菓子を探した。

なかなかお菓子が見つからない。

そばにいたD子が知恵を出す。

D子「先生は、さっき、そのあたりで何かをしていたよ。」

D子の入れ知恵のおかげで、ついにお菓子の入ったケースを探し出した。

二人は、机の上にお菓子を並べ、食べ始めた。


(↑ 探し出したお菓子を食べるB子とD子


な、なんというゼミ3年生たち!

お菓子をめぐる戦いが、今年は多くなりそうだ。