今春卒業したゼミ14期生のミ〇コがやってきた。
ラクロスの練習試合を見学に来たついでに、研究室に顔を出してくれた。
ゼミ14期生と一緒に行った日間賀島の小旅行が、つい昨日のようにも、そして遠い昔のようにも思い起こされる。
ちょうどお昼時。
オープンキャンパスのスタッフのお弁当のあまりをもらい、研究室で一緒にお弁当を食べた。
ミ〇コは、研究室で座り込むと「落ち着く~」とまず一言。
私が、「ゼミのブログだけではなく、ゼミ生しか閲覧できないホームページを作ったんだ」と言うとー
(この記事は一般公開のブログにアップしているが、このほかにゼミ生しか閲覧できないように設定されたホームページもある。)
「私たちよりも愛情を注いでいる~」(不満そうな顔つき)とミ〇コ。
「そんなことはない。その時は俺にブログを作る技術がなかったんだ。」と私(あわてて)。
「ところで、このテーブルに置いてある飴のボックスは何?」とミ〇コ。
「研究室で勉強するゼミ生がいてね、そのゼミ生のために置いてあるんだ。」と私。
「私たちよりも愛情を注いでいる~」(不満そうな顔つき)とミ〇コ。
「そんなことはない。その時は皆は研究室では勉強しなかったから。」と私(あわてて)。
ミ〇コに限らず、ゼミ生は教員の愛情に敏感だ。
つい2週間前も、ゼミ4年生からこう言われた。
「ゼミ3年生のブログの方が、先生は愛情を持って書いている。」
正直に言って、指導しやすい年代のゼミと、そうでない年代のゼミがあることは事実だ。
しかし愛情の程度はまったく変わらない。
だからこそ、どの年代のゼミとでも、大切な思い出が残っている。
ミ〇コは仕事の大変さを語り出した。
資料の詰まった重たいダンボールを4階まで運ぶ。
猛天下の中、駐車場の案内係をする。
スーツは汗でべとべと。
「それじゃあ、時々大学時代が懐かしくなるだろう。」と言うと、
「毎日、大学時代を懐かしく思っている。」とのこと。
「仕事はね、慣れだよ。1年間が過ぎると、ぐっと楽になるよ。」
この言葉は、若い頃の私の体験から出たものだ。
働き始めた頃、辛くて苦しかった。
そんな時、砂漠の中を一人戦車に乗って戦っている夢を見たことを、今でも覚えている。
しかし1年が過ぎると、職場に慣れてぐっと楽になったことも事実だった。
だから、仕事が辛くても、「とにかく1年が過ぎれば…」というのが、私の本音である。
おそらくミ〇コに限らず、今春卒業したゼミ14期生たち全員が、同じように仕事にしんどい思いをしているのだろう。
ミ〇コは皆を代表して、その思いを伝えに来てくれたように感じられた。
お弁当を食べ終わった後、私は高校生対象の模擬授業をするために、ミ〇コは待たせているお母さんのところに行くために、研究室を出た。
ミ〇コと別れた後、心のなかでゼミ14期生全員に向かって、「仕事はね、1年が過ぎると慣れてぐっと楽になるよ。」と語りかけた。
(個人情報保護のためぼかしを入れた)