ゼミ3年の前期コンパは「新時代」だった。
このゼミ生たちと酒を飲むことははじめてだった。
酒が出て料理が運ばれ,コンパが始まった。
(個人情報保護のためぼかしを入れた)
しばらくすると,「パニパニ」が始まった。
「パニパニ」は宴会ゲームのひとつであり,数年前から流行っているらしいが,私にははじめてだった。
見ていると,なかなか面白い。
合コンなどで初対面の男女が仲良くなるには,都合のよいゲームだと思った。
(個人情報保護のためぼかしを入れた)
ただ私にはゲームというより,集団パーフォーマンスとして美しいと思った。
集団のある数人が行う一定の動作が,別の数人にランダムに移動していく。
おそらくこのような文化のない外国人が見たら,美しい集団演技として見るだろう。
しかしこの「パニパニ」は集団パーフォーマンスではなく,やはりゲームであった。
なぜならば罰ゲームがあったから。
ミスをすると,一発芸をやらされるらしい。
かわいそうに何回も罰ゲームをやらされた〇〇がいた。
ダンスの授業での踊りを皆の前でやらされていた(平気な顔で踊っていたが…)
この「パニパニ」に参加しろとゼミ生から脅迫があった。
「先生!パニパニをやるか,このテーブルに置いてある醤油を飲むか,どちらかにして!」
(個人情報保護のためぼかしを入た)
ゼミ生の下心はわかっていた。
「パニパニ」をやらせて,ミスを誘い,罰ゲームをやらせようとするのだ。
ゼミ合宿ならばゼミ生しかいないので,まあ,一緒にやってもいいが,ここは居酒屋。
こんな私でも羞恥心や世間体がある。
たび重なる脅迫に必死に抵抗を続けていた。
普段はまじめでおとなしいのに,「パニパニ」を皆で気軽に楽しみ,平気で罰ゲームを受け入れるゼミ生たち。
女子大生パワーを見せつけられたような感じがした。