2013年7月26日金曜日

卒論をめぐる真夏の戦い2013

今年も卒業論文を本格的に取り組む時期がやってきた。

卒業研究中間発表会が9月にあり、その準備をするのである。

卒業研究発表会では、笹竹ゼミは、パソコンではなくポスターを使う。

しかも発表原稿を見ないで発表する。

それが笹竹ゼミの伝統。




 昨年の卒業研究発表会の様子
 


他のゼミはパソコンを使って発表しているようだ。

実は、笹竹ゼミでもパソコンを使って発表したことがある。

ゼミ2期生の卒業研究発表会だった。

当時、パソコンを使って発表したのは笹竹ゼミだけであり、時代の最先端を走っていた。

しかし…

私は面白くなかった。

確かにパソコンを用いると、きれいで鮮やかな発表ができる。

でも気持ちが伝わりにくい。皆スライドばかりを見つめている。

そこでゼミ3期生からパソコンを使わずに、模造紙に図やキーワードを書いて発表することにした。

この発表のスタイルは、その後10年以上も続いている。

ゼミ生はポスターを作るのが大変なようだけどね。


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ゼミ生に卒業研究をやらせるのは、いつもたいへん。

すぐにおしゃべりをして遊んでしまうし、進め方がわからないと放り出してしまう。

そして「今日はやる気が出ない」などと言う。

そんなゼミ生との戦いが、今年も始まった。
 


毎年こんな感じ


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ゼミ生 「卒論、今日はやる気がしない。」

先生 「ゆっくりやろう。俺は何年たっても見捨てないからねっ。」

ゼミ生 「う~、先生は、今の私を見捨てているー」

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先生 「この抄録、ミスがたくさんある。自分で探し出してやり直し。」

ゼミ生 「どこが間違いなのか、教えてくれてもいいじゃん。」

先生 「人生は~、そんな甘くはないな。」

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ゼミ生 「先生~、ポスターの図を考えて~」

先生 「自分で考えるんだよ、アドバイスはしてあげるけど。」

ゼミ生 「じゃあ、アドバイスして~」

先生 「まだ何も描いてないじゃあないか!」

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先生 「ポスターの3枚目の表は、おしゃれにレイアウトしておいて。」

ゼミ生 「無理、無理。私にはそんなセンスはありません。おしゃれな表はできません。」

先生 「じゃあ、かっこいい表にしておいて。」

ゼミ生 「同じことじゃん!」




個人情報保護のためぼかし入り


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午後6時近くになっても終わらない。

おなかがすいたので、学内のコンビニに行く。

売れ残ったおにぎりやおかずが半額。

それらをすべて買って、ゼミ生にもあげた。

研究室で夕ご飯。



半額のおにぎりとおかず。

ウーロン茶は昨年の学園祭の残り

(賞味期限が切れていたが…)



今年もゼミ生との戦いが始まった。




2013年7月16日火曜日

卒業生と一緒に食べたお弁当

7月13日はオープンキャンバスだった。
 
今春卒業したゼミ14期生のミ〇コがやってきた。
 
ラクロスの練習試合を見学に来たついでに、研究室に顔を出してくれた。

ゼミ14期生と一緒に行った日間賀島の小旅行が、つい昨日のようにも、そして遠い昔のようにも思い起こされる。


ちょうどお昼時。
 
オープンキャンパスのスタッフのお弁当のあまりをもらい、研究室で一緒にお弁当を食べた。
 
ミ〇コは、研究室で座り込むと「落ち着く~」とまず一言。





私が、「ゼミのブログだけではなく、ゼミ生しか閲覧できないホームページを作ったんだ」と言うとー
 
(この記事は一般公開のブログにアップしているが、このほかにゼミ生しか閲覧できないように設定されたホームページもある。)





 
「私たちよりも愛情を注いでいる~」(不満そうな顔つき)とミ〇コ。
 
「そんなことはない。その時は俺にブログを作る技術がなかったんだ。」と私(あわてて)。
 
「ところで、このテーブルに置いてある飴のボックスは何?」とミ〇コ。






「研究室で勉強するゼミ生がいてね、そのゼミ生のために置いてあるんだ。」と私。
 
 「私たちよりも愛情を注いでいる~」(不満そうな顔つき)とミ〇コ。

「そんなことはない。その時は皆は研究室では勉強しなかったから。」と私(あわてて)。


ミ〇コに限らず、ゼミ生は教員の愛情に敏感だ。

つい2週間前も、ゼミ4年生からこう言われた。

「ゼミ3年生のブログの方が、先生は愛情を持って書いている。」


正直に言って、指導しやすい年代のゼミと、そうでない年代のゼミがあることは事実だ。
 
しかし愛情の程度はまったく変わらない。

だからこそ、どの年代のゼミとでも、大切な思い出が残っている。


ミ〇コは仕事の大変さを語り出した。

資料の詰まった重たいダンボールを4階まで運ぶ。

猛天下の中、駐車場の案内係をする。

スーツは汗でべとべと。

「それじゃあ、時々大学時代が懐かしくなるだろう。」と言うと、

「毎日、大学時代を懐かしく思っている。」とのこと。


「仕事はね、慣れだよ。1年間が過ぎると、ぐっと楽になるよ。」

この言葉は、若い頃の私の体験から出たものだ。

働き始めた頃、辛くて苦しかった。

そんな時、砂漠の中を一人戦車に乗って戦っている夢を見たことを、今でも覚えている。

しかし1年が過ぎると、職場に慣れてぐっと楽になったことも事実だった。

だから、仕事が辛くても、「とにかく1年が過ぎれば…」というのが、私の本音である。

おそらくミ〇コに限らず、今春卒業したゼミ14期生たち全員が、同じように仕事にしんどい思いをしているのだろう。

ミ〇コは皆を代表して、その思いを伝えに来てくれたように感じられた。


お弁当を食べ終わった後、私は高校生対象の模擬授業をするために、ミ〇コは待たせているお母さんのところに行くために、研究室を出た。

ミ〇コと別れた後、心のなかでゼミ14期生全員に向かって、「仕事はね、1年が過ぎると慣れてぐっと楽になるよ。」と語りかけた。


 
(個人情報保護のためぼかしを入れた)





















2013年7月13日土曜日

パニパニで夜は更けて~ゼミ3年コンパ~

 
ゼミ3年の前期コンパは「新時代」だった。
 
このゼミ生たちと酒を飲むことははじめてだった。
 
酒が出て料理が運ばれ,コンパが始まった。
 
 
 


 (個人情報保護のためぼかしを入れた)
 

 
しばらくすると,「パニパニ」が始まった。
 
「パニパニ」は宴会ゲームのひとつであり,数年前から流行っているらしいが,私にははじめてだった。
 
見ていると,なかなか面白い。
 
合コンなどで初対面の男女が仲良くなるには,都合のよいゲームだと思った。
 
 

(個人情報保護のためぼかしを入れた)
  
 

ただ私にはゲームというより,集団パーフォーマンスとして美しいと思った。
 
集団のある数人が行う一定の動作が,別の数人にランダムに移動していく。
 
おそらくこのような文化のない外国人が見たら,美しい集団演技として見るだろう。
 
しかしこの「パニパニ」は集団パーフォーマンスではなく,やはりゲームであった。
 
なぜならば罰ゲームがあったから。
 

ミスをすると,一発芸をやらされるらしい。
 
かわいそうに何回も罰ゲームをやらされた〇〇がいた。
 
ダンスの授業での踊りを皆の前でやらされていた(平気な顔で踊っていたが…)

 
 
 
 (個人情報保護のためぼかしを入れた)
 
  
この「パニパニ」に参加しろとゼミ生から脅迫があった。
 
「先生!パニパニをやるか,このテーブルに置いてある醤油を飲むか,どちらかにして!」
 
 
  
 (個人情報保護のためぼかしを入た)
 
  

ゼミ生の下心はわかっていた。
 
「パニパニ」をやらせて,ミスを誘い,罰ゲームをやらせようとするのだ。
 
ゼミ合宿ならばゼミ生しかいないので,まあ,一緒にやってもいいが,ここは居酒屋。

こんな私でも羞恥心や世間体がある。

たび重なる脅迫に必死に抵抗を続けていた。

 
普段はまじめでおとなしいのに,「パニパニ」を皆で気軽に楽しみ,平気で罰ゲームを受け入れるゼミ生たち。
 
女子大生パワーを見せつけられたような感じがした。

 

 

 

 

2013年7月3日水曜日

ゼミ卒業生に頼まれて中学校で講演

ゼミ8期生の〇〇に頼まれて、平成25年7月2日に中学校で講演をした。

〇〇は教員採用試験に合格し、現在は保健体育の中学校の教師。

全校生徒を対象に、友人関係についての講演をしてほしいという。

ゼミの卒業生からの依頼は断れない。

講演はひとりでもできるが、何かの勉強になると思い、ゼミ3年生3人を連れて行った。

講演に先立って、ゼミ3年生にランチを御馳走した。

半田市のア・トゥート・ボーレ。おしゃれな洋食屋さん。

手作りのハンバーグや前菜、デザートとドリンクもついていた。





 
お手伝いをしてくれたゼミ3年生(他にもう1人いる)
 
 

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講演の内容は、「うざい」、「きもい」などの言葉を使うと、密かに傷ついている友人がいるので、気を付けようというもの。
 
最初に、先生に以下のシナリオを演じてもらう。
 
A 「俺,中間テストで英語の点数が上がったんだ」
B 「うぜぇー」
A 「えへへ,数学も点数も上がってね」
B 「きもー,マジ,うぜぇー」
 
 
(個人情報保護のためぼかしを入れてた)
 

 
(個人情報保護のためぼかしを入た)
 

 
デバイスを使って、生徒たちの意見をスライドで集計しながら、話を進めた。
 
これらの言葉を相手から言われて、半分以上の生徒に傷ついた経験があった。
 
皆まじめに話を聞いていた様子だった。
 
なおPTA会長から「先生の声はマイクを通すと、後ろの席までよく聞こえた」と言われ、予想外にうれしかった。
 
体育館で声が響いてしまうので、特にゆっくり、はっきりと声を出すように気を付けていたが、これがよかったかもしれない。
 
 
 
 
講演の最後に代表者からお礼の言葉があった。
 
 
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この講演での一番の収穫は、ゼミ生の〇〇がすっかり教員になって生徒たちに指示を出すのを見たことだった。
 
堂々としていて、「怖そうな体育の先生」のような雰囲気も漂わせている。
 
でもゼミ担当教員にとっては、卒業しても、教員になっても、ゼミ生はゼミ生。
 
学生時代を知る者としては、「お~、やたらに泣いていた〇〇が、今ではすっかり先生になって!」
 
大げさに言えば、教師冥利に尽きるということだろう。
 
しかし…
 
講演が終わると、謝礼金を目当てにして、〇〇は私に近寄って来た。
 
「(おごってもらうのは)焼肉屋がいいかな。それとも丸いテーブルが回転してきて、エビや蟹がのっている中華料理もいいな~。」
 
学生時代もそうだった。私にご飯をおごらせようと、あの手この手を使ってきた。
 
このあたりは、学生時代からまったく成長していなかった〇〇であった。
 
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 後日談がある。
 
大学の近くのイタリアンのお店。
 
ゼミ8期生の〇〇と△△と私。
 
〇〇はおいしそうに蟹クリームスパゲッティを口に運んでいる。
 
もちろん私のおごりである。
 
久しぶりに△△が大学に顔を出したので、一緒に食事をしてもよいと考え、あっさりおごることを認めたのである。
 
「ところで、先生」と〇〇が口を開いた。
 
「講演の後で、私が先生におごってもらおうとしたのは、先生がわたしとの約束の時間に7分遅れたからですよ。それをしっかりブログに書いておいてください。」
 
〇〇には〇〇の理屈があるようであった。
 
「わかったよ。仕方ないな。」と私。
 
〇〇は私の態度に満足したらしく、
 
「蟹クリームスパゲッティは本当においしい」
 
と言って、2皿目を注文していた。