2014年5月31日土曜日

注文していないのに宅配便が…

5月に入った頃…

サポートセンターの私のメールボックスルに、宅配便の不在連絡票が入っていた。

「あれ、何か、注文したかな…」

私には身に覚えがなかった。

不在連絡票を見ると、私が注文した商品は…

「ももクロチケット」

しかも代引きで9000円!

なんだ、これ?

そんな趣味、ないけどな~



(↑ 代引き料金9000円の記載がある不在連絡票)



よくよく不在連絡票を見ると…

配達したドライバーの名前は、今年卒業したゼミ卒業生のA子。

そうか、A子が大学に来たのか…

A子は、大手の宅配便会社に就職した。

仕事は、宅配便の配達のドライバー。

メモが書いてあった。

「早く仕事が終わったので、会いに来たのですが、いなかったので手紙を書きます。仕事は順調です。」

大学を卒業して2ヶ月、仕事にも慣れて、頑張っていることを私に報告しようと思って来てくれたのだろう。

懐かしくA子の顔を思い浮かべた。

会って話をしたかったな。


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そう言えば、今年卒業したB子からも、以前メールが届いた。

「お久しぶりです。元気ですか。私は元気よー (中略) 一人暮らししているので、近くまで来たら、ご飯でも連れてって?」

元気に仕事をしている様子がうかがえる。

B子なら、仕事をしっかりこなしているだろう。

ちゃっかりご飯をおごらせようとしているところが愛嬌だな。


A子もB子も、仕事に少しずつ慣れてきて、一息ついた時に、ふと大学時代を思い出し、懐かしくなって私に近況を伝えてきたのだろう。

大学を卒業して2ヶ月ちょっと。

大学時代とはまったく違う生活を送っているのだろうと思う。

それなりの苦労は必ずあったはずだ。

いつか同窓会を開いて、その苦労話を聞きたいな。


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宅急便の不在連絡票が入っていた数日後…

ゼミ11期生のC子から、突然メールが届いた。

私に会いに大学に来たいという。

C子は高校の非常勤講師をしている。

高校がテスト週間に入ったので、午後に時間が空いたらしい。

C子は心がやさしい子だ。

卒業した今でも、私の誕生日近くなると、バースディカードを送ってくれる。

そして頑張り屋だ。

現在、ダイエットのために、毎朝4時に起床して10キロを走る。

休日は、ビーチラグビーに参加。

砂浜を走っている。

すごい体力だ。

ここまでハードにできるのは、自分に厳しくできるからだと思う。

ここまで根性のある子は、なかなかいない。


ただ悩みのひとつは、彼ができないこと。

合コンには行っているらしいが、なかなか縁がない。




今でも覚えていることがある。

C子が大学2年生の時のことだった。

ゼミの説明会で、私の研究室に来た。

そして私が座っている椅子のそばに座り込み、こう言った。

「私って、男運がよくないんです…」

このところ、交際する男はすべて悪い男ばかりだというのだ。

自分の男運のなさを、C子は嘆いた。

このことを思い出し、私はC子に言った。

「あせることはない。C子があせって男をつかまえると、ろくな男ではないからな。」

「そうねすね。」とC子も認める。



大学時代に比べると、C子の女らしさはすごく磨かれていると思う。

毎日、一生懸命に生きているからだと思う。

だから、あせることはない。あせる必要はない。

いつか、きっと、よい縁に恵まれるよ。





















2014年5月25日日曜日

就活の最終面接で歌ったゼミ生

3年生のゼミの時間…

A子が言った。

A子 「先生、私のこと、太いって4年生に言ったでしょう。」

私  「俺が、A子が太いって、言うわけないだろう。」

A子 「でも、4年生が言ってました。先生が太いって言っていたって。」


よくよく思い出してみると、似たようなことを言った記憶がある。


私 「う~ん、少しは言ったかも…」

A子 「そうでしょうー」


思い出した。

4年生が、「A子は太い」とよく言っていたが、私にはそんな印象はまったくなかった。

ただ合宿の二日目に、A子がジャージ姿ではなく私服だったとき、体格はいいなとは感じた。

その時のことを、4年生に話した記憶はある。

ただし、太いという表現はしておらず、体格がいいと表現している。

だって、女子学生に対して、「太い」という表現をしたら、大問題になることは十分承知しているからだ。

おそらく、4年生はそのような区別はせず、「先生は太いと言った」と表現したのだろう。

困ったもんだ。


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4年生のゼミの時間…

ゼミ4年のB子がにこにこしている。

地元の金融機関に内定をもらったという。

最終面接の様子について語り始めた。



B子の履歴書の趣味の欄に「歌を歌うこと」と記載してあった。

ある役員に、そのことについて尋ねられた。

A子は、この面接の場でも歌を歌うことができると自己ピーアールした。

そして、なんと、最終面接で、歌を歌うことになったのだ。

歌は「津軽海峡冬景色」。

いつか、研究室でも歌っていた曲だ。

歌のおかげで、最終面接はおおいに盛り上がった。

B子の明るさと元気さ、人なつっこさによって、合格。

そして総合職として内定をもらった。

すごい快挙だ。


ただB子には問題があった…

卒論方のゼミ生に比較して、かなり遅れていることだ。

何回もそれを指摘しているが、あいかわらず、B子はのんびりしている。

「7月までにデータを取ればいいのでしょう」などと言っているが、教育実習もあるし、それも危険な状況だ。

そこで私はいいことを思いついた。

教育実習が終わったら、しっかり卒業研究をやりますと、ビデオの前で誓約させるのだ。

誓約した場面がビデオに残るのだから、B子はしっかりやらざるを得ないだろう。

さっそくビデオ撮影が行われた。

B子「私は、教育実習が終わったら、アンケートを作成し…」





(↑ 卒業研究の誓約のビデオ撮影をしているところ)



こんな時でも、B子はニコニコしながらしゃべっている。

だからB子は就活の面接でも歌を歌えるんだけどね。

就活では、人柄も重要であることを教えてくれたB子でした。


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就活の内定者が出始め、教育実習も始まったので、4年ゼミは少人数。

どこか、のんびりムード。

卒業研究のデータを取り終わったC子とD子は、調子に乗って、「たこ焼きが食べたい~」と言い出した。

その場にいたゼミ生で、突然のたこ焼きパーティ。








(↑ 突然のたこ焼きパーティ)



3年生の学園祭で、さんざんたこ焼きを作っているので、手慣れている。

皆で、勝手にワイワイとたこ焼きを作っていた。

たまには、こんなパーティーもいいかもね。

2014年5月8日木曜日

殺気立つゼミ4年生の春

昼休み。

私が水道水を浄水器に入れていると…

「やっと見つけた。ずいぶん探したわ。」とゼミ4年生の声。

A子とB子だった。

教員採用試験の勉強をしている二人だ。

どうやら私を探していたらしい。

A子が言った。

「先生のズボン、いつもと違う。ベルトもおしゃれ。」

おしゃれと言われ、実はうれしかったが、そう簡単に嬉しがっては、ゼミ生に軽く見られてしまう。

そこで、あえて表情を変えないで、

「ふぅ~ん、いつものとおりだけど」

を応じておいた。

A子とB子は研究室に入ると、二人ともノートを取り出した。

「たいへんだった」とか「苦労した」などと、盛んに言い合っている。


教員採用試験の願書の受付が今日から始まったのだ。

志望動機や自己PRの文を苦労して書いたので、私に見てほしいというのだ。








(↑ 教員採用試験の願書を書くB子)



見せられたノートを見ると、なるほど、一生懸命書いた形跡が残っている。

昼休みで空腹だった私は、A子の差し出したノートをちょっと見てから、

「まっ、いいんじゃあないの」と軽く言った。

すると…

「先生! 適当! 私が何時間かかって書いたと思っているんですか!」

A子から鋭い声が飛ぶ。

B子も、しっかり見ろと言わんばかりに、ノートを突き出してくる。

A子とB子は、なかなか殺気だっている。

これはやばいぞを思い、空腹を我慢して、丁寧に読んだ。

「あのね、女の先生ではなくて、女性教員と表現した方がいいのではないかな」などと、コメントを出す。

二人に対していくつかのコメントを出したところ、納得したらしく、

「わかりました。また書き直して持ってきます。あ~あ、お腹すいた。」と言いながら、研究室を出て行った。

なんだ、二人ともお腹がすいていたのか。

二人が研究室にいたのは約20分間。

あっという間の出来事だった。


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その翌日…

今度はゼミ4年のC子が研究室に来た。

ある会社から内定をもらったが、受けようか辞退しようか、迷っているという。

C子は、授業がないのに、そのことを私に相談したくて、わざわざ大学に来たようだった。

「個人的には、その会社は辞退した方がいいと思う。」

私は率直な意見を言った。

実は、C子も辞退した方がよいかなと思っているらしかった。

ただ、辞退する電話をかけるのが嫌な様子だった。


私「まあ、辞退する電話はかけにくいが、一瞬で終わるよ。」

C子「………」

私「そんなに嫌だったら、D子に代わりに電話をかけてもらってもいいんじゃないの。」

C子「………」

ずっと迷い続けるC子だった。

C子は、昼前から午後5時まで、研究室であれこれ迷っていた。

もっとも私が会議で研究室を留守にしている間は、昼寝をしていたらしいが…

私が研究室に戻ってきた時、C子は寝ぼけていた。

C子「ファァ、先生~、留守の間、ファァ、お客さんが訪ねてきたよ、ファァ」




(↑ 寝ぼけているC子)



その後も、C子はなかなか帰ろうとはしなかった。

私は少し心配になって、時折声をかけた。

しかしC子の反応は鈍かった。

C子は何かにこだわり、辞退をするかどうか、決めかねているに違いなかった。

その姿は、女性のか弱さ、繊細さを思わせるものだった。

おそらく同年齢に男性にとっては、「守ってあげたい」と思わせ、C子の魅力を感じさせるものだろう。

(私は年配なので、何も感じないが…)

このようにして、C子の就活の戦いはまだまだ続くのであった。

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そのうちに、ゼミ4年生のE子が研究室に、ハアハア言いながらやってきた。

教員採用試験の実技のために、ハードルの練習をしていたらしい。

実際には、ハードルなしで走っただけで疲れてしまい、ハードルの練習までいかなかったようだ。

「研究室に来ても、心臓がどきどきしている」とE子は疲れた表情で言った。





( 疲れた表情を見せるE子  右↑




E子は、いつものように、苦虫をかみつぶしたような表情をして、

「もっと、体力をつけないといけない」と言った。

その真剣な表情が、第三者的には面白く(E子には怒られてしまうが…)、つい写真をとってしまった。

そのひたむきさが、E子の魅力だよ(ちょっと、フォロー)。

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このように、ゼミ4年生は、教員採用試験の準備や、会社の内定の辞退で、精神的にたいへんです。












2014年5月7日水曜日

ゼミ生の名前

3年生のゼミが始まって1ヶ月。

ゼミ3年の春合宿も終わり、少しずつゼミの雰囲気ができてきた。


この時期、私はあることに一生懸命になる。


それは3年生のゼミ生の名前を覚えること。




ゼミの4年生や卒業生の名前と似ている場合、特に気を遣う。


言い間違えてしまうからだ。


たとえば…


レイナとレナ


ナナミとミナミ


おまけに、笹竹クラス1年生の25人の名前も覚えないといけない。


私はゼミ以外に、クラス担任もしているのだ。


実は、先週、1年生2人に対して、名前を間違えて呼び掛けてしまった。


でも1年生だったから、何も文句は言わなかった。


しかし…


先週、ゼミ3年生に対して、名前を間違えてしまった。


ゼミ3年生のA子に対して、B子(ゼミ卒業生の名前)と呼んでしまったのだ。


私はフォローした。


私「B子(ゼミ卒業生)は、岐阜県の山奥の出身で、目鼻立ちが整った美人だったんだ」(言い訳がましく)


すると名前を間違えられたA子は言った。


A子「その先輩が美人なら、(先生が間違えたことを)許してあげます。」


そして続けて言った。


学生「先輩は岐阜県の山奥の美人で、私は愛知県の山奥の美人!」


どうも、美人というコトバに機嫌をよくしているようだった。





(↑ 私が名前を言い間違えた場面。中央がA子)


その数日後…


大学から帰る途中、大府駅でゼミ3年生のC子に出会った。


C子は私に言った。


「先生、私の名前、わかりますか?」


突然言われたので、あせった。

自分の名前を私が覚えているか、不安に感じているらしい。

「も、もちろん。○○だよな。」(必死で)

名前がすらっと出てきたので、よかった。


ただ、この時期はまだ危ない。


間違える危険性がまだある。

だから、油断はできないのだ。



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卒業すると、ゼミ生は私の心の中で生きることになる。

私の心の中では、何年たっても、学生時代の顔のままだ。

ただ、ゼミ生の顔はすぐ浮かんでくるが、名前が出てこないということはある。

笹竹ゼミの卒業生は、200人は軽く超えている。

ゼミの卒業生の全員の名前を、すらすら言えるためには、それなりの努力が必要だ。

私のiPad touch には、ゼミ1期生から現在までのゼミ生の顔写真と、氏名が書かれたリストが入っている。

電車の中で、ごくたまに、昔のゼミ生の顔写真をながめる。

皆いい顔をしている。

このように時々復習している。

だから私は、これまでのゼミ生の名前を言うことができる(たぶん)。

教員は、卒業しても、ゼミ生の名前を覚える努力は欠かせないのだ。