この木の棒には,ゼミ生たちの汗と涙がしみ込んでいる。
この中で,誰もが気味悪がって,使いたくないという木の棒があった。
木の棒の側面には,「〇〇天才」とか「〇〇様」という意味不明の言葉が書き込まれている。
(↑ ゼミ生たちが気味悪がる木の棒)
まるでお経が書かれているみたいだとゼミ生たちは言う。
実は,この「お経」はゼミ12期生のA子が書いたものだ。
発表練習が苦しくて,こんな言葉を書いたのだろう。
(↑ A子:現役で教員採用試験に合格)
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今,目の前にA子が座っている。
ゼミ12期生の同窓会。
久しぶりに懐かしい顔がそろう。
(↑ ゼミ12期生同窓会)
1か月前に研究室に遊びに来たB子が私に不満を言う。
「先生,ブログに私が言ったことを書いたでしょう。私が言いたかったことは違うんだけどね。」(私に詰め寄る感じ)
確かに,私はB子の話を,「謝罪しなかった先生」というブログに書いていた。
「私は、謝らなかった理由を知りたいわけじゃあないの。単に謝ってほしかったの!」
すると横からA子も口を出す。
「なんか,謝罪しない理由の文章は,いかにも先生ぶっている感じ~」(追い打ちをかける感じ)
どうも卒業生は手厳しい。
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卒業後も,あいわらず元気なゼミ生たちの話を聞いていると,けっこうシビアな人生を送っている。
たとえば…
C子は,中学校でスクールサポーターをしている。
荒れている中学校で,ヤンチャな生徒が多い。
給食を各クラスに運ぶ途中にそのヤンチャな生徒たちが,デザートやから揚げを強奪する。
そのため給食を運ぶ生徒たちに,副担任やC子が付き添い,護衛をしている。
C子は身の危険を感じながら仕事をしているらしい。
(左C子:本人の強い希望で目隠しなし。)
またD子は普通のOLだが…
突然自分を変えたくて,名古屋ウィメンズマラソンに参加した。
練習もせずに23キロ走った地点で,時間切れとなった。
私は「マラソンに出場して,自分は変わったの?」と聞いた。
すると…
D子「男と関係を断ちきりました。」(キッパリ)
私「付き合っていた男がいたんだね。」
D子「付き合っていなくて,あいまいな関係の男が3人いました。」(淡々と)
私「3人も!」
おそらくあいまいな関係をずるずる続けることに嫌気がさしたのだろう。
続けてD子は言った。
「私,来年の今頃は,東京で仕事をしていると思います。名古屋から出たいんです。」
東京という都会で,新しい自分を見つけたいのだろう。
D子の今後が楽しみだ。
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そして木の棒に「お経」を書いたA子も,がんばっていた。
A子は中学校の体育の教員。
現在は体育主任を任されている。
A子の誕生日に生徒たちがサプライズをしてくれたという。
朝の読書の時間に,A子のために歌を歌ってくれた。
A子は感激して聞いていた。
ところが…
隣のクラスの先生が怒鳴り込んできた。
「読書の時間だから,静かに読書をしなさい!」
A子は生徒たちと一緒に叱られてしまった。
叱られたけど,生徒たちの思いがうれしかったね。
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それにしても,とても楽しい同窓会だった。
大学時代のことが,昨日のことのように思い出される…
忘れてしまったようでいて,心の奥深くに大切にしまわれていた。
また皆で会おうね。
(↑ 金山駅で解散したときの様子)
A子は体育の教師をしているが,
A子は体育の教師をしているが,